ここまで、エクセルセミナー開始当初、どのようなテストを行ってきたかをお話ししました。テストの結果、3000円の参加料であれば、人が集まりそうだという目途がたってきました。
当然ですが、いくらセミナーの内容がよくても、それを多くの人に認知してもらわなければ意味がありません。だから、3000円でも参加者はお金を払ってくれると分かったら、その参加料の収益を元に、セミナーの参加者を増やしていかなければなりません。
■広告宣伝は重要
ではどうやってセミナーの参加者を増やすのか?友人などに口コミを広げてもらうこともできますが、それでは成長に限界があります。ここはしっかりお金をかけて、大きな成長を目指したいと思いました。そこで目を付けたのが広告です。広告へ投資し、売上が上がり、その売上でさらに広告へ投資するというサイクルを回すことができれば、加速度を増して成長できるのではないかと考えました。
広告というと、いきなりテレビCMを打つわけにもいきませんので、やはり最初は少額で始められるインターネット広告ということになります。リスティング広告なども10万円ほど試してみましたが、まったく効果なし。その中で、広告を出すと、参加者が増えることがわかったのが、フェイスブック広告です。
フェイスブック広告は、フェイスブックを使っている人に対して、「友達の●●さんが、このセミナーを『いいね!』と言っています」といった具合に、セミナーを紹介してくれる。このフェイスブック広告への投資は、圧倒的に効果が高かった。おそらく、セミナーというのは、こういっては失礼ですが、怪しいものも多い。私のような知名度がない者が「エクセル教えますよ」と言ったところで、うさんくさいと感じる人も多いことだろう。そんなときに、「友人がおすすめしているセミナー」となれば、信頼度は一気に向上するわけです。これは後述しますが、私が書籍を執筆するようになった理由も、この「講師としてブランドの向上」にあります。
よく、広告=コストと考える方がいらっしゃいます。例えば、大手企業でも、「今期の営業利益は、昨年よりも減少しそうだ…なんとか利益を増やしたいので、今期は広告宣伝費を減らそう」という議論になることがありますが、これは本質的にはまちがっています。広告宣伝費は、売上を増やすために行っているわけですから、広告宣伝費を減らすと、短期的には利益は増えたとしても、長期的には利益を損なう可能性があります。もちろん上場企業の場合は、毎期の利益にこだわらなければならない事情も良く分かりますが、常に長期的な成長に目を向けたいところです。
そこで考えるべきは、投資対効果となります。いくらの広告宣伝費を投資すれば、いくらの売上アップにつながっているのか、ということですね。これがプラス(つまり、100円投資して、100円以上返ってくる)になっていれば、その広告投資はずっと続けても良いことになります。
私がこのセミナーを始めた当初、1万円分の広告を出すと、1万人くらいのフェイスブックユーザーが広告を見ていました。そして、そのうち5人くらいが、その広告を見てセミナーに参加してくれました。3人というと少なく感じるかもしれませんが、5人×3000円=1万5000円の収益になるわけです。つまり、1万円の投資が1.5倍になって返ってくるという計算ですね。これなら、投資対効果はプラスですので、積極的に投資をしていいということになります。