親と子の関係は、
理屈をこえた関係
この時期のはじめのころの赤ちゃんは、たいてい上機嫌ですが、だんだん相手を区別するようになり、「人見知り」がはじまります。
自分をかわいがってくれる人とそうでない人を区別し、かわいがってくれる人が相手になるとほほえむのに、そうでない人、他人にはほほえまないばかりか、不愉快な感情をあらわします。
この行動は、自分を育ててくれる人に対して固着する行動で、母と子の絆をつくるのに大事な行動ですから、早く覚えてくれることがのぞましいのです。
赤ちゃんは自分を守ってくれる人のうちのひとり、お母さんに特になつき、お母さんに特によく笑うようになります。
お母さんも特にかわいいという愛情をもつようになりますが、人見知りを始める時期でもあります。
この母子関係ができあがると、母子の愛情関係が確固なものとなり、一生続き、忘れることのできないものになります。
戦場で死にのぞんだ若者が「お母さん」と言って息をひきとっていく話など、親と子の関係は、理屈をこえた関係なのです。
この関係の成立は、言葉の発生に非常に重要です。
赤ちゃんは他人を区別し、それを言葉で理解するようになっていくからです。