【中原】ツカラボはどのくらいの規模・頻度で行われていて、どんなことをやっているんですか?

【大久保】最初は60名、2年目は100名、その次は300名くらいと規模を拡大していています。たとえば今期に関しては、8月から3月まで月1回、3時間のセミナーを8回やりました。講師は僕ですが、毎回1時間、外部講師の方にお話しいただいています。大手銀行やアパレルメーカーの方、人気レジャー施設の人や売れっ子ホストなど、いろんな角度から学べるようにしています。毎回参加する子は100名くらいですが、コンスタントに出席する子たちの内定率は、いまも100パーセントですね。

やっていることは、基本的には企業研究と自己分析で、それらを深く掘り下げていきながら、たとえば会社説明会の見方とかナビサイトの見方、グループディスカッションの仕方やエントリーシートの記入法などを、時期によって加えていきます。

【中原】昨今は、大学でも、そうした指導をしているところもあるのですが、なかなかうまくいかないのですかね。

【大久保】ツカラボでは、いままさに人材採用の現場にいる人や採用のあり方を考えている方にお願いしています。過去の個人的体験や机上の空論にとどまるのではなく、実体験を語っていただけることが、ポイントだと個人的には思っています。ツカラボでしか聞けない話があるので、それが学生たちの参考になるようですね。

企業がほしがる
「塚田農場出身」の学生たち

【中原】『バイトを大事にする飲食店は必ず繁盛する』によると、「塚田農場でのアルバイト経験がある学生さんは、就職試験の一次試験を免除」という会社が30社ほどあるそうですが?

【大久保】今は約50社になりました。

【中原】それは外食系の企業ですか?

【大久保】実は同業者は1社もないですね。銀行、メーカー、エンタメ系、人材、コンサル、不動産などさまざまです。

【中原】そうした取り組みはどうした経緯で始まったのでしょうか?

【大久保】最初は、たまたま知り合いだった某IT系上場企業の担当者さんが「塚田農場のアルバイトさんは素晴らしいので、とにかく1人採用したい。オススメの学生さんはいませんか?」と言ってきたことがきっかけです。

それでピンと来て、最初は5社くらいに声をかけて、「塚田農場のアルバイト経験者はいきなり最終面接」という約束を取りつけました。その後、僕らの理念に共感してくださる企業さん、しかも「塚田農場」の教育を受けている子たちのカラーに合うような企業さんを選びながら、ご協力いただけるところにお声がけしている状況ですね。

(次回、いよいよ最終回!!)