3年間かけて取り組む政策(1)
財政改革と成長戦略を同時に行う

 それでは、3年間かけて落ち着いて取り組むべき政策とは、どんなものがあるだろうか。例えば、キャメロン政権に倣うならば、増税と岩盤規制の緩和を中心とした成長戦略を、選挙後一挙に断行するということが考えられる。直後に内閣支持率が下がったとしても、「3年後に結果が必ず出る」と言い切るのである。

 日本の経済政策は、「景気回復なくして構造改革なし」で、最初にカネをばら撒いてから、構造改革(成長戦略)に入ろうとしてきた。しかし現実には、選挙がすぐにやってきて、構造改革に入る前に次のカネをばら撒くことが続いてきた。その結果が、巨額の財政赤字だ。この「景気対策→(選挙)財政再建延期→財政悪化→景気対策→(選挙)……」を何度も繰り返す悪循環を止めるためには、選挙後に即、消費増税を行い、財政再建・構造改革から入る「構造改革なくして景気回復なし」を打ち出すしかない。

 ただし、財政再建は消費増税だけで行うべきものでもないと考える。55年体制時から自民党税調の主導で毎年のようにさまざまな減税措置が繰り返されてきた(第68回・4p)。その結果、富裕層の税負担が少なく、中間層以下の税負担が重いということになり、所得税の所得再配分機能はいまや崩壊状態にある。この再構築は非常に重要であろう(森信茂樹「格差拡大を許す日本の税制に見える課題(1)」)。

 一方で、日本の法人税率は諸外国に比べて高いといわれながら、実は70%の企業が法人税を払っていないという実態がある。法人税はあくまで利益分に課税されるものなので、利益がない企業には法人税がかからないからだ。国際的な競争力確保のために法人実効税率を引き下げることは必要だが、同時に、課税ベースを拡大する必要がある(土居丈朗「法人実効税率を引き下げると何が起こるのか 恩恵を受ける企業と打撃を受ける企業がある」)。このように、所得税・法人税改革を通じて、より公平な税制を構築しながら、税収を増加させていくことに取り組むべきである。これには、3年間という、落ち着いた時間が必要である。

3年間かけて取り組む政策(2)
「すべての人へのサービス」VS「特定の人へのサービス」の論争

 次にじっくり取り組むべき政策は、福祉・社会保障政策だろう。ただし、これは現状維持がいいと考える自民党・公明党ではなく、野党側が3年間、じっくり取り組むべき仕事である。