9月に「情熱大陸」に登場したシリーズ124万部突破のベストセラー『伝え方が9割』著書佐々木圭一さんと、12月17日に放映される「情熱大陸20周年記念スペシャル」を手掛けるプロデューサー福岡元啓さんと、が、「情熱大陸とは何なのか」「情熱大陸が大切にしていること」などについて語り合った。 (構成・編集部 撮影・榊智朗)

「情熱大陸」が挑み続ける理由

「情熱大陸」が大切にしていることとは?<br />【佐々木圭一×福岡元啓】(後編)<br />佐々木圭一(ささき・けいいち)
コピーライター/作詞家/上智大学非常勤講師
新入社員時代、もともと伝えることが得意でなかったにもかかわらず、コピーライターとして配属され苦しむ。連日、書いても書いても全てボツ。当時つけられたあだ名は「最もエコでないコピーライター」。ストレスにより1日3個プリンを食べる日々をすごし、激太りする。それでもプリンをやめられなかったのは、世の中で唯一、じぶんに甘かったのはプリンだったから。あるとき、伝え方には技術があることを発見。そこから伝え方だけでなく、人生ががらりと変わる。本書はその体験と、発見した技術を赤裸裸に綴ったもの。本業の広告制作では、カンヌ国際広告祭でゴールド賞を含む3年連続受賞、など国内外55のアワードに入選入賞。企業講演、学校のボランティア講演、あわせて年間70回以上。郷ひろみ・Chemistryなどの作詞家として、アルバム・オリコン1位を2度獲得。「世界一受けたい授業」「助けて!きわめびと」などテレビ出演多数。株式会社ウゴカス代表取締役。伝えベタだった自分を変えた「伝え方の技術」をシェアすることで、「日本人のコミュニケーション能力のベースアップ」を志す。
佐々木圭一公式サイト: www.ugokasu.co.jp
Twitter: @keiichisasaki

佐々木 「情熱大陸は小さな革命を起こし続けている」と前回伺ったんですが、成功している番組を壊していくってすごく勇気がいるし、リスクもあると思うんですね。 でもあえて、挑んでいく理由というのは何なのでしょう。

福岡 あえて挑んでいるという感覚はないんですけれど(笑)
どんどん新しい人を取り上げていく番組ですから、それにあわせて制作している側も新しいことをやっていかないといけないと思うんですね。
20年といったら、赤子が成人してしまうぐらいの年月ですから。人間だったら、成長するにつれて、着るものも食べるものも変わっていきますよね。
その時々にあった洋服を着ていかないと、継続は難しいと思います。

佐々木 変わることでしか継続はできないということなんですね。
私の記憶が正しければ、福岡さんがプロデューサーになられてからは、生放送をとり入れることが多くなったような気がするのですが。
福岡さんが就任された7年前。
情熱大陸が13歳だった頃から20歳になるまで、一番の青春期を走り抜けた7年間はどういうものだったんですか?

福岡 なるほど。確かに、思春期ですね。思春期だから色んなことを考えたのかもしれないですね。
「このままでいいのか」とか、「この先どうなるのか」ということを、毎日考えていたかもしれない。
生放送もやりましたけれど、当日の映像とか、前日の映像も入れだしたんですよ。機材の発達もあったし、テレビに求められるものも変わってきたと思います。
ともすれば「情熱大陸って作品です」と捉えられて、1週間も2週間も前に納品されているイメージがあるかもしれませんが、毎週毎週やっているメディアだから直近のライブ感を大事にしています。
そこは意識した点でありましたね。
もともと報道の出身だったので、そのあたりのノウハウは、何となくわかっていたので。このあたりは、自分の強みでできるかなという感覚はありました。
今日ここにいる支えてくれたスタッフたちは(*対談は、数日後に放送される「情熱大陸」編集中の部屋で行われました)、「今回は電光石火の一ヶ月で作ろう」って言った時に、最初は「え〜っ」って言ってましたけれど、「こういう回もあっていいんだ」と理解して作ってくれていました。

「情熱大陸」スタッフ そんなことはないです(笑)

一同  (笑)