出願動向に波がある中位校
偏差値40台の中位校は、中学受験のボリュームゾーンであり、22年入試でも増加が期待されている。日本大学をはじめとする中堅私大の系列校も多い。日大系列唯一の男子校である日本大学豊山は、ここ数年志願者数を伸ばし続けた人気校で、第1回でも実倍率4倍超という高倍率となっていた。四模試は1割増だったが、現状は軟調気味で、先行き不透明である。
四模試で男子2割減、女子前年並みだった日本大学第二(第1回)は、現状もそのように進んでおり、20年水準まで減らす可能性もある。四模試で男子1割強減となっていた目黒日本大学(第1回)は女子に勢いがあり、実倍率3倍超を保ちながら21年並みを確保できるかという状況である。四模試で男子1割強減だった日本大学藤沢(第1回)は、すでに男子が前年実績を1割上回り、女子も前年並みで、男女合わせて2ケタ増は間違いなさそうな情勢である。
獨協(第1回)は、21年に前年比3割近く増やしたが、四模試では4割弱増、現状も5割増しのペースで志願者を集めており、21年の続伸も間違いなさそうだ。東京電機大学(第1回)は、志願者数の男女比が4対1と男子が圧倒的に多い。四模試で男子4割弱増、女子4割半増と人気を集めたが、男子は前年を上回る勢いにあるものの、女子は弱含みで、全体としてどこまで21年に上積みできるか。
21年の実倍率が男子4.5倍、女子3.1倍と過熱していた東洋大学京北(一般第1回)は、四模試でも男子は2倍増、女子は4割増と大人気だったが、現状の出願ペースにそこまでの勢いは感じられない。元女子校の武蔵野大学(第1回)は、男子の2倍いる女子受験生から順調に出願が続いている。21年並みは確保できそうだが、男子がやや勢いに欠けている。四模試で男子1割弱増の関東学院(一期A)は2ケタ増の勢いで、他の日程も総じて調子が良い。一方、桜美林(2月1日午前)は総じて緩和傾向が目立ち、21年並みの確保は厳しそうな情勢だ。
女子大系列校では、21年に4.69倍まで跳ね上がった昭和女子大学附属昭和(A)が、高倍率を敬遠されてか、2割減の四模試と同様のペースで推移、倍率も緩和しそうだ。女子美術大学付属(第1回)は、21年に実倍率が3倍まで上がったこともあってか、スローダウンしているものの、20年の実績は確保している。
大妻中野は21年に並みが維持できるか。跡見学園(一般第1回)は20年、21年と地道に志願者を増やし、四模試も微増だった。2倍前後で受けやすいのだが、現状は勢いがない。午後入試が盛況の清泉女学院(1期)は、四模試で示された3割増まではいかないものの、21年超えは確実な情勢である。
なお、現段階で非公表の創価は、男子微増、女子1割半増で増加基調にある。