
瀧口範子
第126回
寄付をするとだれもが感じる不安がある。そのおカネが本当はどう使われているかだ。「ドーナーズチューズ」は、支援される側のプロジェクトと寄付側を直接結びつけることで、「不安」を「満足」に変えることに成功した。

第125回
本を次々と消費するヘビー読者をターゲットにした、電子書籍オンリーの出版社カリーナプレスが、快進撃を続けている。設立したのは、かのハーレクイン・ロマンスで有名なハーレクイン・エンタープライズだ。表紙が恥ずかしくて買えなかった読者の取り込みにも成功している。

第124回
日本円にして月額約千円という激安料金で、人気映画やテレビ番組を無制限に鑑賞できるストリーミングサービスが米国で急成長している。「自宅に居ながらレンタル」の代名詞的存在となったネットフリックスがそれだ。会員はすでに1600万人を数えるという。

第123回
ウィキリークスがまたまた強力な爆弾を破裂させた。今度は米国の外交公電25万件を公開するというのだ。本音の垣間見える公電の公開によって、ウィキリークスは国家と外交のあり方を破壊する力を持ったことを示した。

第122回
カリスマ投資家、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ傘下に、異彩を放つ企業がある。チョコレート・キャンディー市場で不動の地位を築いたシーズキャンディーズだ。90年近くにわたり消費者に愛され続ける秘訣とは?

第121回
米国に、2200万人もの登録ユーザーを誇るパーティー招待状送信サービスがある。単純なサービスと侮るなかれ。予算から運営管理までパーティー支援ツールの完成度を研ぎ澄まし、膨大な数の広告主と提携企業を囲い込むことに成功している。

第120回
独SAPの旧子会社による企業秘密の不正入手疑惑を巡ってオラクルがSAPに対して起こした訴訟が、新たな展開を見せている。問題の不正行為が行われた当時のSAPのCEOが現HPのCEOであるとして、オラクルがHPに攻撃の矛先を向け始めたのだ。

第119回
昨今の経済不安の影響なのか、部屋の装飾品から身につけるアクセサリーに至るまで、ハンドメイド商品の市場が急成長している。その流れに見事に乗ったのが、手作りグッズのオンラインマーケットプレイスであるエッツィーだ。

第118回
内部告発サイト「ウィキリークス」が、米軍の機密文書40万ページを大公開した。その是非を巡って、米国では大論争が展開されている。中心人物であるアサンジェ氏に対しては、人格攻撃も始まり、存続の瀬戸際に立っている。

第117回
米国ではインターネットラジオ「パンドラ」が人気だ。同社は、ユーザーが自分で気に入ったラジオ局を構築できるというサービスを提供。今、音楽業界を牛耳るiPodやiTunesストアを脅かす存在になるかもしれない。

第116回
マイクロソフト(MS)とアドビの首脳が密会。アップル対抗を旗印に、MSによる買収話が浮上したとの観測が流れている。しかし技術の変遷は激しく、両社の組み合わせが最良の解であるとは限らない。

第115回
アップルがiPadで新聞や雑誌の電子版ニューススタンドを開設するらしい。報道によれば、米国の有力メディアがこぞって関心を示しているが、先行したワイヤードの有料版が鳴かず飛ばず。アップルに読者データも吸い上げられそうで、警戒感も募っている。

第114回
世界最大のSNS、フェイスブックが香港の大富豪リー・カシン傘下の企業と組んで、スマートフォンを発売するらしい。すでに5億人の月間利用者がいるフェイスブックがさまざまな機能を付加していけば、文字通りコミュニケーションのインフラとなる可能性がある。

第113回
フィンランドの誇り、ノキアが同社の歴史上初めて外国人トップを招聘した。新CEOのエロップ氏のミッションは、スマートフォン全盛の米国市場でのプレゼンス強化と強敵アップルの追撃。その苦闘する姿は、ストリンガー会長率いるソニーにだいぶ似てきた。

第112回
アップルがiPhoneやiPad向けのアプリ開発規制を緩和し、合わせてアプリ審査基準を公表した。高まる独禁法調査の可能性、勢力を増すアンドロイド陣営への焦りもあろう。しかし公表された基準の文面は相変わらず強気。ジョブズ節は健在だ。

第111回
遅まきながらアップルがSNSに進出する。この「ピング」は音楽を核としたSNSだが、同時に発表された新生アップルTVと合わせてみると、彼らの描くデジタル・リビングルームの構図が見えてくる。

第110回
ネットの世界で今一番ホットな分野といえば、位置情報サービスだろう。ユーザーが位置情報を共有し積極的に活用するようになれば、集客支援など多様な商機が生まれる。ついにはあのフェイスブックも参戦した。

第109回
半導体の巨人インテルが大枚76億ドルを投じて、セキュリティソフトの大手マカフィーを買収する。このハードとソフトの組み合わせから、一体何が生まれるのだろうか。

第108回
ネットユーザーなら一度は使ったことがあるに違いない、あの米スカイプがついにIPOを行う。無料サービスが主体なのに、これからどう成長戦略を描くのかと、外野の予想がかまびすしい。

第107回
米ヒューレット・パッカード(HP)のハードCEOがセクハラ疑惑で辞任した。だがコスト節約型の同氏は、アップルに対抗できるHPの潜在能力を引き出せていないとの見方も多かった。次期CEOの手腕次第では、災い転じて福となすことができそうだ。
