
加藤 出
第162回
キャメロン英首相は9日(日曜)午前のBBCテレビに出演し、財政再建策を推し進めることの重要性を説くと同時に、インフレの問題を軽んじていないことを国民に強調した。昨年来、英国ではインフレへの不満が増加している。

第161回
2010年の英国で最も視聴者数が多かったテレビ番組は何か? 答えは12月13日夜に放送された「Xファクター」である。これは昨年6月27日に放送されたサッカー・ワールドカップ、イングランドvsドイツ戦を上回る数値だ。

第160回
ヨーロッパにいると、日常的にさまざまな移民の話に遭遇する。たとえば、ロンドンの人びとは、全般的に移民をポジティブにとらえている。先日、金融街のあるエコノミストと面談したとき、彼は英国経済にとって重要な“資源”は英語と優秀な移民だと指摘した。

第159回
英「エコノミスト」誌12月11日号は特集記事で「今年は結局、世界経済が驚くほど好調な年になった」と報じた。ドイツの急回復によってユーロ圏全体は意外に悪くない成長を示し、米国の二番底懸念は実現せず、世界経済は5%近い成長を示す見込みだ。

第158回
ユーロに加盟しなくてよかった、という声はロンドンではよく聞かれる。しかしながら、ユーロに崩壊されたら欧州経済はもちろん、英国経済もただではすまないという警戒感も強い。

第157回
欧州の国債市場が混迷を深めるなか、11月後半の週末にロンドンからアイルランドとスペインへそれぞれ1泊2日で行ってみた。

第156回
英TLG社は英国と米国の企業リーダーたちを対象に、最も影響力のあるブランドは何か?という調査を行い、ランキングを発表した。英米共に、1位アップル、2位グーグル、4位アマゾン、5位フェイスブックだった。

第155回
11月15日付の「アイリッシュ・インディペンデント」紙は1面で、財務大臣がEUに銀行救済用資金を求める“苦肉の案”を検討していると伝えた。一方で同紙には、暗いニュースばかりでなくコミカルな記事も多い。

第154回
FRBが決めた6000億ドルの国債購入策が政治問題と化してきた。ユーロ圏、ロシア、ブラジル、中国など世界各国から激しい反発が噴出している。オバマ大統領までが批判の声を鎮めようと懸命に説明を行っている。

第153回
ウォークマンの日本国内向け出荷終了のニュースは、英国でも大きく報じられた。非常に気になるのは、カセットテープのウォークマンの製造中止を、ブランドの消滅と同義として報じていることだ。ウォークマンのデジタル携帯プレーヤーが認知されていないのだ。

第152回
欧州では、財政再建に対する国民の反応が各国で異なっている。フランスも英国もドイツも厳しい内容の再建政策を発表しているが、フランスでは激しいストやデモが勃発する一方、英国やドイツでは比較的平穏を保っている。

第151回
米国の金融緩和姿勢は、中国の人民元操作に並ぶ現在の通貨戦争の大きな火種だが、10月15日の講演でバーナンキFRB議長はその問題に触れず、暗黙のドル安誘導を進めようとしている。

第150回
“ファッション帝国”アルカディアを経営する英国ビジネス界の将軍、サー・フィリップ・グリーン氏は2ヵ月前、キャメロン首相に政府のムダづかい調査を依頼された。任命が発表されたとき、英国では大きな論争が起きた。

第149回
日銀は「包括緩和策」を決定。日銀が従来いやがっていた政策が、ずらりと並ぶ。閣僚から日銀法改正を望む見解が出ているなか、日銀は政治的プレッシャーをそうとう強く意識したものと思われる。

第148回
イングランド銀行(BOE)幹部のテレビでの発言が、英国の預金者を激高させ、“炎上”状態に陥った。チャールズ・ビーンBOE副総裁は、9月27日にニュース番組で、現在同行が行っている超低金利政策は、家計に対して、貯蓄ではなく消費を求める政策であると説明した。

第147回
ロンドンの高級住宅街を散策してみると、すごいクルマに頻繁に出くわす。路上駐車の様子が、スーパーカー見本市のようなときさえある。「なぜこんなに資産家が多いのだろう?」と誰でも不思議になるだろう。

第146回
菅直人首相の続投が決まった翌日、政府は外国為替市場で円売りドル買い介入を開始した。市場の一部には「菅政権続投なら介入はしばらくない」と思い込む向きもあっただけに、いいタイミングだったと思われる。

第145回
先日、ロンドンから日帰りでリバプールに行ってみた。この街は欧州有数の港湾都市であり、歴史的建造物が多い。2008年には「欧州文化首都」に選出された。港やその近くの商業施設は驚くほど綺麗に再開発されている。

第144回
円高阻止のための追加緩和策を求めるマスコミの大合唱のなか、日銀は8月30日に臨時金融政策決定会合を開き、新たに新型オペを10兆円実施することを決定した。円高になると、日本では議論が冷静さを失う傾向があるように感じられる。

第143回
FRBは8月10日のFOMCで苦しい判断を見せた。すぐに切れる有効な“緩和カード”が手元に今はないという悩みがにじみ出ていた。今回の決定は「追加緩和策」というほどのものではない。
