浅川澄一
第37回
第153回の芥川賞に介護をテーマにした羽田圭介さんの『スクラップ・アンド・ビルド』受賞した。高齢者介護が、普通の人の普通の生活に入って来るとともに、小説や映画で取りあげられることが増えて来た。ケアの有力な情報源となる小説を集めてみた。

第36回
8月からの制度改定で直撃弾を受けるのは、年金収入が年280万円以上の要介護高齢者。介護保険の利用料が費用の1割から2割に倍増する。2000年4月に始まった介護保険制度は、年齢や収入、家族構成などに関係なく誰でも1割負担という分かりやすい仕組みだった。それが収入によって利用額が変わることになり、発足以来の大変更となった。

第35回
高齢者介護の最も大きな課題は認知症への対応。施設入所の理由として、第一番に上がるのは認知症のため家族との同居が難しくなったからだ。できるだけ長く自宅での生活を続けるために、「認知症カフェ」の活用が浮上している。

第34回
在宅医療・介護が欧州で最も充実しているオランダでは、10年以上前から様々な政策が繰り出されている。その一方で、民間の自主的な運動も盛んだが、中でも最近注目を集めているのが「農場ケア」である。

第33回
「東京圏の高齢者は地方に移住を」と提言して物議を醸している日本創生会議の座長、増田寛也・元総務相が、「延命治療の議論を」と呼び掛けている。政策へ大きな影響を及ぼす人物だけに、その発言に注視したい。

第32回
「日本創生会議」の分科会、「首都圏問題検討分科会」が6月4日、2025年までの医療・介護状況を発表し大きな話題を呼んでいる。報告書「首都圏高齢化危機回避戦略」では、東京都、神奈川、千葉、埼玉県の東京圏では75歳以上の高齢者が急増し、深刻な医療・介護サービス不足が起きるとして、高齢者の地方移住を提言したからだ。

第31回
国交省が地域包括ケアを踏まえて、住まいと介護サービスの組みあわせを考えた国のモデルプランを推進する一方で、厚労省は介護報酬を減算するという。国交省の描く理想像と厚労省の排除の思惑がぶつかり合った、何とも、ちぐはぐな矛盾した事態が起こっている。

第30回
本来、自分で選択するはずの在宅サービスはケアマネジャー(介護支援専門員)の判断に委ねられている。ケアマネジャーが作るケアプランでサービス内容やその事業所が決められてしまう。本人の自由な選択はどこへ行ったのか。

第29回
有料老人ホームと言えば、入居する際に高額な一時金を支払わねばならない高齢者施設と見られがちだが、最近は一時金が不要なホームが増えてきた。そのサービスも、介護サービスや食事提供などすべての日常生活を職員がみてくれているが、実はサービスごとに支払いが必要なところが多い。

第28回
自宅介護が難しくなった高齢者の行き場がなくなりつつある。介護保険の施設は少なく、需要を満たさない。とりわけ地価と人件費が高い首都圏ではその不足が深刻だ。

第27回
地方に住む親が一人になったり、あるいはボケが進んで認知症が出始まると、都会で暮らす子どもを頼って引っ越ししてくることが多い。子どもが親を呼ぶので「呼び寄せ老人」と言われる。こんな現象が、とりわけ首都圏で加速している。

第26回
東京都渋谷区が、同性カップルに結婚関係を認める「パートナーシップ証明書」を発行することになった。これまで難しかった賃貸住宅への入居や病院での面会などが改善されそうだ。その証明書の発行前にお互いが任意後見契約を交わすことを条件とした。これを契機に成年後見制度への理解が深まり、浸透していくことが望まれる。

第25回
自宅介護が難しくなった高齢者の行き場がなくなりつつある。介護保険の施設は少なく、需要を満たさない。とりわけ地価と人件費が高い首都圏ではその不足が深刻だ。

第24回
介護保険制度の4月からの報酬額が決まった。厚労省の諮問機関、社会保障審議会介護給付費分科会が2月6日に介護事業者に支払う2015年度から3年間のサービスごとの報酬額をまとめた。総額を2・27%切り下げることは予算編成の中で政治決着しており、それに基づき各サービスの基本報酬や加算内容などを決めた。

第23回
認知症はその発症原因や根治薬が分からないため、不安感が増殖される一方だ。それは「認知症になったら大変」という言葉に集約される。関係者の努力で「認知症になっても暮らし続けられる地域」が各地でニュースになってはいるが、まだまだ圧倒的に少数派だ。そこへ、国民の不安をさらにかきたてるような施策が始まろうとしている。

第22回
来年度の予算編成の一環として介護報酬が改定された。対前期比2.27%マイナスに事業者団体は一斉に反発している。ほぼ同時期の1月7日には、厚労省が4月から始める認知症の新しい長期総合計画を策定し自民党に示したが、なんとも新味がない。

第21回
厚労省が高齢者ケアにおける「住まい」の切り札として推奨してきたサービス付き高齢者住宅(サ高住)が制度変更に揺れている。訪問系介護サービスの利用者が集合住宅の居住者である場合、事業者報酬が減額するという。高齢者ケアの土台を揺るがす事態だ。

第20回
厚労省の介護保険改訂審議が大詰めを迎えた。消費税の10%アップが見送られたこともあり、介護サービスの総報酬が9年ぶりに引き下げられる。急速な高齢化でより重要になる認知症ケアの本命は何と言ってもグループホームだが、今この足元が揺らいでいる。

第19回
厚労省が2005年に廃止を決めた介護療養病床を、存続させる提案が上がってきている。厚労省は長期的な施策として地域包括ケアによる「脱病院、在宅重視」を掲げてきたにも関わらず、全く逆方向へと進もうとしている。

第18回
日欧の医療・介護分野で大きく異なる点の1つは、看護師の仕事内容である。看護師には「療養上の世話」と「診療の補助」の2つの業務があるが、日本では前者が発揮されていない。そこで参考になるのが、看護師が訪問介護で活躍するオランダとイギリスだ。
