窪田順生
内閣官房参与の高橋洋一氏が週刊誌のインタビューなどで唱えた「Eテレ売却論」が、マスコミから叩かれている。議論の本質が歪められてしまったかのような報道も少なくない。NHK改革の必要性が取り沙汰されている中で、なぜこうしたことが起きるのか。

先日公開されたナイキの新CMが、議論を呼んでいる。いじめや差別を受けているとおぼしき子どもたちの姿を描いた内容のため、「日本社会のイメージが悪くなってしまう」というのだ。しかしこのCMからは、ナイキのリスクをとった周到な戦略が見て取れる。

先日、政府の成長戦略会議の中で、日本商工会議所の三村明夫会頭の口から、耳を疑うようなダイナミックな「珍説」が飛び出した。その趣旨は、零細企業の衰退が地方衰退の背中を押しているというものだ。そこからは、日本の中小企業が抱える根深い課題が垣間見える。

近藤真彦さんの5年不倫が「文春砲」でスッパ抜かれたが、各局のワイドショーは揃いも揃ってスルー。その報道自粛ぶりは異様にさえ見える。ワイドショーがこぞってベッキーさんを叩いた、かつてのゲス不倫騒動と何が違うのか。背景にはメディアの深い病が見える。

米国大統領選で、いまだに負けを認めず抵抗を続けているトランプ大統領。一方、勝利宣言をしたバイデン氏も期待値だけが勝手に上がっており、足元は楽観できない。両者ドローの状況の中で、1人だけ明確に「惨めな敗者」がいる。それは他でもないマスコミだ。

タカラトミーやアツギなど、大企業っぽくないつぶやきで人気を博していた企業SNSの「中の人」が、相次いで大炎上している。なぜここにきて、「中の人」が次々と叩かれているのか。企業の炎上対策の専門家の目から、「中の人」たちが陥りがちな罠を分析する。

映画『鬼滅の刃』が歴代最速で興行収入100億円を突破した。これほどのヒットになったのは、「鬼退治」というシンプルなストーリーの中に、観た者が知らずに心を揺さぶられる要因が隠されているからだ。それは、日本人に根付く「悲しき人食い鬼」の記憶である。

脱ハンコに反対する者を「既得権益にしがみつく人」という構図で批判する、「ハンコ警察」ともいうべき人たちが増えている。しかし、ムダな印鑑を一掃しても、日本社会の効率は良くならない。日本のハンコ文化は、諸外国にはない根本的な問題を抱えているからだ。

自社ブランドを中国で浸透させたい日本企業の多くが、頼りにする女性がいる。日本在住のその女性は、「中国人ママインフルエンサー」として、日本の魅力を中国へ発信する絶大なパワーを持つ。インバウンド需要が消滅した日本にとって、何とも有難い女性の正体とは。

日本学術会議が推薦した学者を、菅首相が任命拒否したことが大きな問題になっている。この騒動に乗じて、かなり無理筋な批判が繰り広げられている。それは、「学問の自由が侵害される」というものだ。よく考えるとこの問題、学問の自由には何の影響もないのではないか。

2020年度上半期ベスト3
SNSで大きな話題になっている「AKIRAの予言」――。80年代の漫画「AKIRA」には、東京五輪が2020年に開催されることはもちろん、伝染病が蔓延することや、日本がWHOから問題視されることなど、今の日本の状況が描かれているとしか思えない描写がいくつもあるのだ。なぜ「AKIRA」は未来を当てられたのか?その理由は、意外にも簡単に見つけられる。

JR東日本、西日本、さらには西武や京急という私鉄にまで広がってきた「終電繰り上げ」検討のトレンドに対して、不満を感じている人が多いようだ。しかし、それは筋違いというものだ。終電繰り上げに怒る人こそ身勝手だという理由を、日本の鉄道事情から考える。

菅政権の「縦割り行政打破」への国民の期待が高まっている。しかし残念ながら、この取り組みは大スベりしてしまう可能性が高い。縦割り行政というDNAは、いつの時代も脈々と受け継がれていくものだからだ。そうした背景にある「真の問題」とは何だろうか。

10月から東京も対象に含まれ、観光業が期待を寄せるGo Toトラベル。しかし、地方のビジネスホテルや低価格ホテルからは、「恩恵がない」と不満の声が上がる。さらに菅新政権が進める観光政策によっては、苦境に拍車がかかりそうだ。いったい何が起きているのか。

俳優のつるの剛士さんが、自宅の畑で栽培しているパクチーの盗難被害を受け、その犯人を「外国人ではないか」とツイートしたことが、波紋を広げた。最近相次ぐ野菜・家畜泥棒については外国人犯行説も囁かれているが、そもそもなぜ外国人ばかりが疑われるのか。

全米オープンに出場中の大坂なおみさんが、SNSで一部の人たちから叩かれている。黒人男性への発砲事件の抗議として、全米オープンの前哨戦となる試合をボイコットしたことなどが原因だ。バッシングの背景にある、「極めて日本人的」とも言える思考の病理を斬る。

連日のように日本列島を襲う殺人的な暑さで、熱中症による死者が急増している。足もとに限ってみれば、コロナ以上に熱中症で多くの死者が出ている状況を、なぜ日本人は静観しているのか。背景には、「暑さ」に関する日本人の独特な価値観がありそうだ。

ジャニーズ事務所の人気アイドル・山下智久さんが、未成年の少女と飲酒をしたことが報じられ、芸能活動の自粛を発表した。不思議なのは、報道から山下さんの処分発表まで、10日間ものブランクがあったことだ。危機管理が厳しいジャニーズ事務所に、何があったのか。

感染急増による医療崩壊を避けるため、「新型コロナを指定感染症から外せ」という声が強まっている。しかし肝心の厚労省は、こうした世論に対して後ろ向きな姿勢を貫いているように見える。実はその頑なな姿勢は、彼らの生い立ちに深く関係しているのだ。

吉村洋文・大阪府知事の発言を受け、にわかにうがい薬の買い占めが起きている。なぜこんな話を真に受けるのかと不思議に思う一方で、思い当たることもある。我々日本人が簡単に情報に操られる背景には、日本の学校教育の影響があるのではないか。
