
塚崎公義
東京医科大学が、入試の採点で女子を不当に差別し、入学者の女子比率を押し下げたと報道され、多くの批判の声が寄せられている。大学の行為は許されないが、批判の声には違和感を覚える部分がある。

ふくおかフィナンシャルグループと、長崎県の十八銀行との統合に長らく反対してきた公正取引委員会が、ようやく統合承認に向けた最終調整に入るようだ。公取委は「独占の弊害」を懸念していたのだが、それよりも重視すべき弊害がある。

円安ドル高は、昔は景気にプラスの要因であったが、最近はそうでもないようだ。にもかかわらず、株式市場では円安が株高要因として語られている。今回は、その理由について考察する。

中国の4~6月期の実質経済成長率が、前年同期比6.7%だったと発表された。2012年以降は成長率が8%を下回っており、しかも緩やかながら年々低下しつつある。しかし、これをもって中国経済が危ないとは言うのは早計だ。

米中の経済戦争が、全面衝突の様相を見せている。トランプ大統領は、20年後の覇権を懸けて、中国の封じ込めを本気で狙っているようだ。その勝敗の行方とともに、日本経済への影響を考えてみた。

政府は6月15日、「骨太の方針」を閣議決定、その中で、外国人労働者の受け入れを拡大する方針を掲げた。具体的な業種としては、農業、介護、建設、宿泊、造船をイメージしているもよう。しかし、これは日本人労働者にとって不利益になる。

週明け7月2日に「日銀短観」が発表される。日銀短観は、回答者数の多さ、質問項目の多さなどから日本で最大の「景気関連アンケート」で、市場関係者の間では注目度が非常に高い。そこで、発表に先立ち、日銀短観の読み方について考えてみたい。

安倍晋三首相は、米朝首脳会談を受けて、「北朝鮮の非核化プロセスの費用を日本が負担するのは当然」とした一方、経済援助に関しては「拉致問題が解決されなければ行われない」と明言した。果たしてこの発言は合理的なのだろうか。

春先に105円を割り込んだドルは、米国の金利上昇を背景として値を戻し、110円近辺で推移している。100円割れで景気が悪化すると懸念していた人も多かっただろう。しかし、本当にドル安円高は景気に悪く、ドル高円安は景気にいいのだろうか。

金融庁と東京証券取引所は6月1日、株式持ち合いの縮減を進めるよう求めた。しかし、持ち合いは本当によくないものなのか。久留米大学の塚崎公義教授は「乗っ取り防止のため持ち合いは望ましい」と訴える。

奨学金を返済できず、自己破産したといった話を耳にする。確かに奨学金は多額であり、中には返済できずに連帯保証人に迷惑をかける例もあるだろう。しかし、奨学金を借りることをためらって大学進学をあきらめてしまっていいのだろうか。

監督からバントのサインが出ているとき、「ヒットが打てそうな気がしてもバントすべき。勝手な判断でバットを振ったなら、結果がヒットであっても糾弾されるべき」という話が道徳の教科書に載っているらしい。では、監督から違法行為を命じられたとき、選手は従うべきなのか。

東京商工リサーチや帝国データバンクによれば、「求人難」「人手不足」による倒産が増加しているという。当事者にとって不幸な出来事だが、マクロ経済の視点から見れば「いい倒産」と言える。

2017年度の国際収支統計が発表され、経常収支は21兆7362億円の黒字だった。日頃「国の赤字は巨額」と言われているのにと、不思議に思ってしまうかもしれない。だが、それは数字を混同しいてるからこそ起きる誤解なのだ。

日本生産性本部が、「国際比較をすると、日本の労働生産性は低い」という報告書を発表した 。しかし、これには大きな誤解があるようで、悲観的になる必要はなさそうだ。

日米首脳会談が行われ、トランプ大統領から「対日貿易赤字の均衡を達成したい」との要求があったと報道されている。これに対し、日本にとって厳しい要求だという見方もあるが、筆者は楽観的だ。

メガバンクが採用を抑制すると報道されている。メガバンク3行合計の来春の新卒採用数2300人程度と、今春を3割下回り、リーマンショック前の3分の1となる模様だ。これは、銀行自身や行員、日本経済にとってどのような影響があるのだろうか。

最近、武田薬品工業や日本瓦斯など、「株式報酬」を利用する企業が増えているようだ。米国では一般的な手法で、それが日本にも広がりつつあるのだ。しかし、よく考えてみると会社を危険な状態に陥らせてしまう“リスク”が潜んでいるといえる。

トランプ大統領が、対中輸入品に関税を課す大統領令に署名したことで「米中貿易戦争」が勃発しそうな空気だ。しかし、日本への直接の影響はなく、かえって“漁夫の利”が得られそう。にもかかわらず、日本の株価が下がるのはなぜなのだろうか。

最近、「長生き年金」を扱う金融機関が増加しつつある。 「老後資金の最大の不安を緩和して、安心を上乗せしてくれる」という私的年金のことだ。保険会社の「隠れ手数料」は高いが、安心が何よりという人にはお勧めだ。
