2020.4.7 緊急事態宣言にどう付き合うか、政治に「決断力」を求める危うさ 新型ウイルスの感染拡大が止まらない中で、政府は7日にも緊急事態宣言を出す見通しだが、宣言をしてもできることとできないことがある。効果や前提条件を詰めず、性急に“決断”を求める議論やその声に押されてやるのでは民主主義を危うくする。
2020.3.6 バイデン復活でも「サンダース旋風」が強風を維持する理由 スーパーチューズデーは中道派のバイデン前副大統領が復活を印象づけたが、サンダース上院議員も大票田のカリフォルニア州で勝利が確実で民主党候補者選びは一騎打ちの様相だ。リベラル“分裂”の背景には「新貧困層」の出現がある。
2020.2.28 新型コロナ対策に見える「隔離」や「外出自粛」の限界 新型ウイルスの感染拡大防止で政府は人々の行動をどこまで縛れるのか。緊急時の法解釈として許容できるよう柔軟な制度にしておく必要はあるが、「超法規的措置」の「超」はなるべく小さくすることが原則だ。
2019.12.19 ブレグジット確定で英国が改めて抱えた「ナショナリズムの“暴走”」問題 英国がブレグジットを決める原動力になったナショナリズムは、スコットランドなどの独立問題に火をつけ、また保守、労働党に対してもそれぞれの「アイデンティティー」を改めて問うことになっている。
2019.10.30 「表現の不自由展」で上滑りした「表現の自由」についての肝心な議論 「表現の不自由展」騒動では、慰安婦を象徴する少女像などの展示をめぐる対立が焦点になったが、公共空間での「表現の自由」は無制限に認められるのか、そうでないのかの本質論は深まらなかった。
2019.8.13 「れいわ」「N国」の“はらはら感覚”に見える政治の希望と失望 「れいわ」と「N国」の躍進は、既成政党にはない発想の選挙スタイルが民意に新鮮な印象を与えた。世界的なポピュリズムの風潮も追い風だが、政策の整合性のなさなど、政治の“主流”になるには課題も多い。
2019.6.11 欧州議会選挙で見えた「EU懐疑派」を支える“民意”の正体 欧州議会選挙で「EU懐疑」派が根強い支持を得たのは、十分に文化的統合が進まないままEUの一員になってしまった人々の疎外感や「国民国家の保護の喪失」を恐れる民意が背景にある。
2018.10.30 新在留資格、低賃金の外国人労働者目当ては「排外主義の温床」になる 新「在留資格」を設け、外国人労働者受け入れを拡大する法案が今国会に提出されるが、低賃金の働き手確保だけを考えてのことなら、無用な排外主義を生む恐れがある。目指す「国家像」を示す必要がある。
2018.9.13 反安倍陣営が読み違える、若年層の「功利主義的メンタリティー」 安倍長期政権を支えるのは保守化や右傾化というよりも自分の利益や効率を先に考える功利主義的な社会のメンタリティーだ。「反安倍陣営」はそれを読み違えているから“民意”とズレてしまっている。
2018.4.2 医薬の臨床データ不正を防ぐ新法施行に早くも「抜け穴」の懸念 企業や役所のデータや文書の改ざんが後を絶たないが、医薬分野での臨床研究のデータ捏造を防ぐ狙いで4月から臨床研究法が施行される。だが情報公開の対象が限定され、監視機関が身内で構成される恐れがあるなどの「抜け穴」が残る。
2018.1.8 教育無償化を迷走させた安倍政権ポピュリズム政治の罪 キャッチフレーズが次々に打ち出される安倍政権だが、「教育無償化」を見ても、何を目指した政策なのか、政府自身がわかっていないかのようだ。その時々で世論に一番受けそうな政策をかかげ“やる気”を見せるだけのポピュリズム政治の色合いが濃い…
2017.11.10 日本で「リベラル」の定義が曖昧になる背景 何かと話題の「リベラル」だが、日本では、長い間、「自民党へのアンチ」の意味合いで漠然と使われてきた。今回もタカ派色の強い安倍政権の暴走を防ぐ歯止めとしての共通基盤が出来上がったように見えたが、思想や政策理念が深く消化されていないの…