竹田孝洋
FRBのパウエル議長は、1月のFOMCで3月利下げに対して否定的な姿勢を示した。しかし、声明文からは利上げの文字を削除した。利下げの開始は5月または6月となりそうだ。

#16
日本銀行は金融政策の正常化に向けて歩みだしているように見える。ただ、超低金利に慣れ切った日本経済の金利耐性は低く、慎重に歩みを進めざるを得ない。今後の物価動向や、YCC(イールドコントロール、長短金利操作)撤廃、マイナス金利解除の条件などについて、「金融政策は異次元緩和導入前の姿に戻れない」と語る、翁邦雄・京都大学公共政策大学院名誉フェローに聞いた。

#5
消費者物価上昇率は前年比で、日本銀行が目標とする2%超えが続いている。YCC(イールドカーブコントロール、長短金利操作)やマイナス金利の行方に注目が集まる。前日本銀行副総裁である若田部昌澄・早稲田大学政治経済学術院教授に今後の物価動向、金融政策の行方について語ってもらった。

#3
2023年の経済成長率は、コロナ禍からの経済活動正常化で1%台後半という高めの成長を達成できそうだ。果たして24年も成長ペースを維持できるのか?10人の著名エコノミストに経済成長率、物価などの動向について予測してもらった。

#2
米国の利上げは現状水準で打ち止めとなり、2024年春から夏までに利下げが始まりそうだ。ECB(欧州中央銀行)も24年には利下げに転じる。一方、日本銀行はマイナス金利解除に踏み切るだろう。日本と欧米の金利差が縮小すると見込まれる中、24年の対ドルレート、対ユーロレートを8人の為替のプロに予想してもらった。

10月の米国の消費者物価上昇率や雇用統計が市場予想を下回ったことで、2024年の利下げに市場の関心が集まりつつある。経済指標動向などからその時期を予想する。

日本銀行がYCC再柔軟化に踏み切った。金利上昇と円安進行に追い込まれる中、政府やアベノミクス支持者への配慮がうかがわれる苦肉の策だ。しかし、金利のある世界への一歩であることは間違いない。

中国の李克強前首相は習近平総書記が経済政策への関与を強める中で実権を失ったが、習氏の統制強化路線への歯止めだった。その死去は中国経済低迷の始まりの象徴かもしれない。

インフレ退治に向け追加利上げの可能性と高金利継続を示唆するFRB。背景には米国景気の強さがある。大規模緩和を継続する日本銀行とは対照的だ。米利下げ時期の遅れにより円高反転も後ずれしそうだ。

#7
欧米の中央銀行はインフレへの初期対応を誤った。新型コロナウイルスの感染拡大がもたらしたインフレの“新常態”を読み切れなかった。コロナ禍前のディスインフレ時代と何が変わったのか、金融政策はどう変化するのかを分析した。

#6
市場が早期の利上げ停止、年明けからの利下げを織り込む中、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ停止後も金利水準を維持する見込みだ。また、パウエルFRB議長は景気後退なきインフレ退治に自信を見せる。景気後退を回避し、また再燃させることなくインフレを抑制できるのか。5人の米国経済の専門家へのアンケートを通して読み解いてゆく。

#5
インフレはピークアウトしたものの、7月の消費者物価上昇率は5.3%。ECB(欧州中央銀行)は引き締めの手綱を緩めない。製造業PMI(購買担当者景気指数)が50割れのユーロ圏。サービス業も50割れが近づき、景気後退が忍び寄る。英国もインフレはピークを付けたものの、7月の消費者物価上昇率は6.8%と水準は高い。景気後退なきインフレ抑制は可能なのか。欧州経済のスペシャリスト5人に検証してもらった。

#4
欧米のインフレ鈍化に合わせ、市場は利下げを織り込み始めた。一方、国内のインフレのピークはいまだ見えず、金融政策正常化への道筋も不確かだ。こうした状況下での株価の先行きを7人の敏腕ストラテジストに聞いた。

消費者物価上昇率が16カ月連続で目標の2%を上回る中、現在の金融政策は適切なのか。金融政策の対象は賃金ではなく物価であると吉川洋・東京大学名誉教授は語る。就任以降の植田和男日本銀行総裁のかじ取りの評価を黒田東彦前総裁の異次元緩和の功罪とともに吉川氏に聞いた。

人口減少、不動産不況などバブル崩壊後の日本との共通点が少なくない中国経済。日本と同様に低成長化の道を歩むのか、それを避ける処方箋はあるのか、「中国経済は日本化するか」識者鼎談の後編では、低成長化をもたらす要因、米中対立への影響などについて徹底討論してもらった。

#3
今回のインフレの原因となったエネルギー、資源、穀物の高騰。ようやく落ち着いたかに見えたが、ロシアの穀物輸出合意停止で穀物価格が乱高下。原油価格も産油国は減産姿勢を崩さない。国際商品市況がインフレを再燃させるリスクはないのか。原油、小麦、銅、金の価格を専門家5人に予想してもらった。

中国不動産大手の中国恒大集団が、米国で破産法を申請した。不動産不況だけでなく、経済再開後の成長鈍化や物価低迷など、中国経済の不振が顕著だ。そこでダイヤモンド編集部は、中国経済に詳しい専門家3人による緊急鼎談を行った。見えてきたのは、バブル崩壊後の日本と今の中国との意外な共通点だ。中国も日本の「失われた30年」と同じ道をたどるのか――。前後編の2回にわたって鼎談全文をお届けする。

#2
利上げ局面の終盤を迎えつつある欧米の中央銀行。一方、日本銀行はYCC(イールドカーブ・コントロール)の柔軟化に踏み切ったものの緩和継続の姿勢を崩さない。金融政策の方向性が相違する中、円相場はどう動くのか。9人の有力ストラテジストに、前提となるインフレの予測と共に相場の見通しを聞いた。

#1
消費者物価上昇率が16カ月連続で物価目標の2%を超えて推移する中、日本銀行の緩和継続は適切な施策なのか。インフレを高進させてしまった欧米の中央銀行の轍を踏む可能性はないのか。10人の著名エコノミストに、今後の日銀の金融政策の行方、物価上昇率、経済成長率についてアンケートを実施した。

予告
中央銀行はインフレに勝てるのか?日本は「抑制不能」懸念、欧米に「景気後退」不安
欧米主要国のインフレ退治が最終局面を迎えている。物価上昇率はピークを付けた。しかし、欧米の中央銀行は金融引き締めの手を緩めず、引き締め過ぎによる景気後退が忍び寄る。一方、主要国の中央銀行で唯一金融緩和を継続する日本銀行には、2%目標を超えるインフレを抑制できない懸念が残る。新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした“新常態”時代において中央銀行はインフレに勝利できるのか。先読みして動く金融市場の動向と合わせ、識者へのアンケートなどを基に検証する。
