
岡野雄志
#13
相続税を「払い過ぎて」いるケースは少なくない。そして、税務署はそのことを教えてくれない。過払い相続税を取り戻した三つの事例から、土地の相続で損をしないテクニックを相続税専門の税理士が指南する。

ネットバンキングが普及し、また暗号資産などを所有する人も増えてきた。その所有者が亡くなると、デジタル資産は「デジタル遺産」になる。生前、本人もデジタル資産と意識せずに所有していたものが、相続発生後にトラブルとなるケースも増えている。

政府与党による「令和5年度税制改正大綱」で、贈与税の暦年課税制度による贈与者死亡前3年間の「相続税持ち戻し」が7年間に延長され、話題になっている。今回の大綱には、そのほかにも今後の相続税対策に関わる改正案の記述がいろいろとある。

2022年10月11日、マイナンバーカードに健康保険証を一体化させた「マイナ保険証」の利用に切り替えると政府が発表し、国民や町の医療機関をざわつかせた。事実上、マイナンバーカードの義務化となるかもしれない。気になるのは、やはりマイナンバーの税務への影響だ。

#9
相続税額はどんな税理士でも変わらない。そう感じる人も多いかもしれないが、相続専門の税理士が見直すと、相続税の「過払い」が判明するケースは少なくない。払い過ぎた相続税を取り戻すノウハウや過払いが発生しやすいポイントを、税理士に指南してもらった。

「相続税と贈与税をより一体的に捉えて」との文言が話題となった令和3年度税制改正大綱だが、翌年の大綱でも具体策は示されなかった。しかし、岸田内閣の「資産所得倍増計画」により、にわかに「相続税と贈与税の一体化」が前進し始めたようだ。

高性能画像生成AIが無料配布され、ネット上で「革命」といわれ話題沸騰となっている。一方、2021年に老舗オークションでNFTアート作品が売り上げ100万ドル(1億4000万円超)を突破するなど、今、デジタルアートが熱い。海外では資産として注目度が高いが、日本ではどうなのだろう?相続税対策としてもNFTアートは有効なのだろうか。

少額から不動産投資でき、不動産管理の必要もなく、Webを介して始められるので、コロナ禍で人気急上昇の「不動産クラウドファンディング」。相続税対策としても注目度が高い。しかし、詐欺事件や横領事件などが相次ぎ、不安を覚える人も多いようだ。

国家公安委員会の特別機関・警察庁長官官房によると、サイバー犯罪は2013年に5741件だったのが、21年には1万2275件に増加しているという。犯罪に巻き込まれる危険性のあるネット利用はもちろん要注意だが、安易な発信が「税務調査」に至る恐れもある。

毎年7月1日、国税庁が公表する「相続税路線価」。2022年分は全国平均が2年ぶりに0.5%上昇した。新型コロナの感染状況が気になるところだが、この夏、久しぶりに家族が顔を合わせたら、ぜひ話し合っておきたいのが「実家の相続」についてだ。

コロナ禍で贈与税の実地調査件数は半減し、その反動で今年は贈与税の税務調査が強化されるのではと予想されている。贈与税の申告漏れのうち、無申告が8割強。「数百万円程度の現金の受け渡しを調べるほど税務署も暇じゃないだろう」と高をくくる向きもあるが、税務調査は税務署員の仕事であって、暇つぶしではない。したがって、プロなりのノウハウもある。

2022年4月19日、注目の「タワマン裁判」は納税者側による最高裁上告が棄却された。「総則6項」を振りかざした国税局側の勝訴となったわけだが、富裕層に多用されている「タワマン節税」は今後どうなるのか。それに代わる有効な相続税対策はあるのだろうか。

一般社団法人日本フードサービス協会(JF)によると、コロナ禍に見舞われた2020年、外食産業全体の売上金額前年比は84.9%に落ち込んだ。特にパブレストラン/居酒屋は50.5%、翌21年も57.8%と厳しい。そんな不況下にあえぐ、パブやクラブなどで働く女性、いわゆる“夜の蝶”に生活費を渡し続けたら、贈与税はどうなる?相続税専門の税理士として事例をもとに解説しよう。

コロナ禍で「巣ごもり投資」「ポイ活投資」などが人気を集め、円安・株高下、空前の投資ブームか!?と言われたのも束の間。ウクライナ情勢による不透明感が世界の株式市場を覆っている。こうした状況下で上場株式を相続したら、どうすればいいのか。

コロナ禍でオークション市場が盛況という。ネット入札でハードルが下がったからか、ステイ・ホームでアートを愛でる時間が増えたからか……。絵画の落札最高額は約510億円のレオナルド・ダビンチ作とされる『サルバトール・ムンディ』だそうだ。では、こういった高額な美術品や骨董品を相続したら、税金はどうなるのだろうか。

注目の「相続税と贈与税の一体化」は、政府与党『令和4年度税制改正大綱』においても前年同様、「本格的な検討を進める」との表現にとどまった。2021(令和3)年末に閣議決定され、財務省が公表した『令和4年度税制改正の大綱』にも具体案は見当たらない。しかし、油断は禁物。今後の生前贈与の注意点を挙げてみる。

2021年10月30日、G20(金融世界経済に関する首脳会合)は大企業への各国共通の法人税15%以上の最低税率に最終合意した。しかし、先頃発覚した「パンドラ文書」では、G20参加国トップを含む世界のスーパーリッチによる租税回避が暴露されている。もやもやとした矛盾を感じるのは筆者だけだろうか?

日本の相続税は世界に比して高いといわれる。果たして、本当に事実その通りなのだろうか。そこで、世界各国の相続税率を改めて調べてみた。日本のほか、英国、フランス、ドイツ、米国という主要国の相続税率を比較してみよう。

120年ぶりといわれる民法大改正に伴い、2020年4月1日に施行された「配偶者居住権」。伴侶の死後も配偶者が住み慣れた家に住み続けられ、しかも、二次相続の節税対策にもなると歓迎された。しかし、施行から約1年半たった今、制度のほころびも顕在化している。

毎年夏から年末は相続税の税務調査シーズンといわれる。国税庁によると令和元年事務年度の相続税の実地調査数は1万635件、うち9072件が申告漏れ等を指摘され、重加算税等が付加されている。では、税務調査を避けて相続税対策する鉄板の方法とは?
