「頭の取説」があれば、誰でも本来の能力を発揮できる

――お二人は、マインドマップのインストラクター養成講座を通じて、お知り合いになられたんですか?

近田 はい。2006年11月に、ともにブザンさんから学びました。

大嶋 懐かしいな(笑)。

――なぜ、インストラクターの資格を取ろうと思われたのですか?

大嶋 トーストマスターズでマインドマップを知って以来、8年ほど関連書籍を読んで独学で学んでいました。独学でも徐々にマインドマップを活用して、人前で話せるようになった手応えがあったんです。けれど、知れば知るほど、発明者であるトニー・ブザンさんから直接学び、マインドマップを極めてみたいと思うようになり、インストラクターの資格を取るモチベーションになりました。

――トニー・ブザンさんに直接学ぶことで、新しい発見がありましたか?

大嶋 はい、主に2つあります。1つは、ブザンさんがマインドマップを発明された背景を知ることができたこと。これほど有益なツールを発明できたのは、幼い頃からの問題意識が凝縮された結果なんだということです。発明の裏側にある背景やコンセプトを深く理解することで、学びがさらに深まりました。もうひとつは、ブザンさんの潜在能力ですよね。彼は、時間を伸び縮みさせるんですよ。

――といいますと?

大嶋 受講生がマインドマップを書いているときのエネルギー状態を、まるでアンテナを張るように観察しているんです。例えば、「他の人が書いたマインドマップを見て、気付いたことを書き出しましょう」と受講生に指示するとします。「まずは10分で」と言って、みんなの様子を観察し、書くエネルギーが高ければ20分、30分と、平気で時間を伸ばすわけ。受講生は、「あれ、ちょっと長いな……」と思いながらも、集中しているのでさほど気にせず作業に没頭できてしまう。そうやってブザンさんは時間を伸ばしたり縮めたりするんです。

――みんなが、どんどんキーワードを出しているときは、10分で切らずに時間を伸ばすということですか?

大嶋 そうなんです。これは私にとって大きな学びになりました。私が講師やインストラクターを務めるとき、受講生に「タイマーで計るな」と言います。受講生のエネルギー量をじっと観察し時間を調整するようにしています。こんなふうに時間は伸び縮みするのです。

――近田さんはいかがでしょうか。

近田この10年間、新たな発見の連続です(笑)が、2点に絞ります。1点目は、トニー・ブザンさんの提唱する「グローバル・メンタル・リテラシー」という概念にふれたことです。日本語にしにくい言葉ですが、「世の中の誰もが頭の働きを知って、うまく頭を使いこなせる」こと、と私は理解しています。

 頭の悪い人などいない。「頭の取説」があれば、誰でも本来の能力をもっと発揮できるはず。7歳のころからそう考えていたブザンさんは、結局、「取説」を自分自身で作成し、マインドマップ、読書法、記憶法、発想法などを開発しました。いずれの手法も、すでに持っている能力を効率よく使うだけで、無理なく大きな成果が出ることが魅力ですね。

 カリスマ性のあるブザンさんですが、学び手に対しては常に相手が能力を発揮する「お手伝いをする」という姿勢で接しています。「私って思ったより頭がいいかも。もしかしたら天才?」と実感させる手腕は抜群で、お手本にしています。

大嶋 上から目線じゃないですね、まったく。

近田 ないですね。子どもに教えているビデオなどを見ると、子どもと同じ目線に立っているのがよくわかります。

大嶋 ブザンさん自身が子どもみたいに無邪気なんですよね(笑)。そういう人ですよね。

近田 そして2点目は、ブザンさんのあり方です。一言で表すと、徹底した言行一致。食事、運動、メリハリのある生活、ポジティブ・シンキング、頭の鍛え方など、本に書いていることや講演で伝えていることは、すべて実践しています。

 ここまで徹底している人は珍しい。だから、言葉に重みがあるんですね。

トーストマスターズクラブとは?
トーストマスターズはコミュニケーションとリーダーシップを学ぶ国際的な非営利団体です。135ヵ国で約33万人の会員が学んでいます。日本では約170のクラブ約4000人の会員がいます。
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※ 次回配信予定は9月16日(金)です