昨年11月23日(祝)データサイエンティストを対象にした勉強会「アイデアソン 人工知能で運命の人と出会えるか?―データが教える本当の恋―」が開催された。この催しは、書籍『ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす ビッグデータの残酷な現実』がきっかけとなって、データサイエンティスト協会のメンバーを中心に企画された。六本木ヒルズのGoogle本社に集まったデータサイエンティストたちが、機械学習機能を用いて‘運命の赤い糸’を見える化させるアイデアを出し合うグループディスカッションだ。‘機械学習’と‘男女の出会い’――最も遠いところにあるような2つが出会った時に生まれる斬新なアイデアとは。(レポート・まつざきみわこ)
「恋愛力」は非認知的能力の代表格?
「運命の人」を可視化するにはどうする?
催しの前半は、ゲストによる講演&対談からスタート。まずは、このイベントのきっかけとなった書籍『ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす ビッグデータの残酷な現実』について、編集を担当したダイヤモンド社書籍編集局の木山政行が紹介した。
この本の著者は、世界最大級の出会いサイト「OkCupid」を創業したハーバード大卒のデータサイエンティスト、クリスチャン・ラダー。彼は、ネット行動から集めたビッグデータを紐解いて、人々の秘めた願望や恋愛、性的指向、偏見をオープンデータと結びつけて発表することで話題をさらい、アルゴリズムによるマッチング機能を使ったサービスで出会いサイトの人気を不動のものにした。
「恋愛力というのは、非認知的能力の代表格ではないでしょうか。非認知的能力とは、今注目されている‘やり抜く力(グリッド)’や‘ソーシャルインテリジェンス’などのように、意欲や協調性、忍耐力などを指す数値化しにくい個人の特性のこと。男女の出会いの場において、恋愛力をどう可視化することができるのか。恋愛力を可視化してマッチングにつなげることができれば、データサイエンティストならではの貢献になるのでは?」とアイデアソンへの道筋が示された。
ノックアウトファクターは「ニオイ」や「肌感」
これをどうマッチングに活かせるか
続いて、日本最大級の婚活リーディングカンパニーIBJ監査役を務める八木香さんと、マーケティングのプロフェッショナルであるTSUNAGU・パートナーズ相澤利彦さん(代表取締役)の対談へ。リクルートエグゼクティブエージェント祐川京子さんがモデレーターとなり、「『運命の人』をデータ化するには?」と題して行われた。