「手取りを増やす」ためには、税金の仕組みを知ることが早道。新刊『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』から抜粋してそのエッセンスをご紹介します!

「年金」が増えるほど、
社会保険料が多くなるから注意!

65歳以上で公的年金を220万円、企業年金が100万円を受け取れるケースなら、合計320万円から「公的年金等控除額」の120万円を差し引いた200万円が雑所得となります。

 他に、民間の保険会社でやっている「個人年金保険」に入っていると、その分の雑所得も合計されます。

 現在、多くの自治体では「所得」に対して国民健康保険と介護保険の保険料がかかるようになっています。

 このため、年金額が増えるほど雑所得は多くなり、2つの社会保険料も高くなる仕組みなのです。

 老後のために複数の年金を受け取れるように準備し、コツコツ貯めていたとしても、いざ受取り始めると、思いがけず税金や社会保険料の負担が重く、「手取りは予想より少なかった」という事態になりかねないのです。

 年金の種類によっては、貯めたお金を「年金受取り」せずに、一時金で受け取ることができる年金もあります。その場合は、税金のかかり方も変わってくるので、うまく組み合わせると「手取り」を増やすことができます。

年金収入にも税金が!<br />受け取り方で合法的に節税する<br />
深田晶恵(ふかた・あきえ)ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上、「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。ダイヤモンドオンライン、日経WOMAN等でマネーコラムを連載中。主な著書に『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂6版』『平均寿命83歳!貯金は足りる?定年までにやるべき「お金」のこと』(ダイヤモンド社刊)『共働き夫婦のための「お金の教科書」』(講談社刊)ほか多数。