入社したての部下をどう支援したらいいか

 もう一点、「ものさし」を使うと、タイミングの合った、的確な支援ができるようになります。

 部下がぶつかる成長課題は、ステージによって異なります。マネジャーの支援も、部下のステージに合わせて変えていくのです。

 たとえば、まだ入社したばかりで職場の人間関係に慣れていない1.スターターの部下であれば、緊張感を抱えて出勤しているのかもしれません。そのようなときには、職場に安心感をもってもらえるような声かけをしたり、職場の中で発言する機会を与えたりすることが、マネジャーの支援として有効です。

 また、2.プレイヤーの部下は、周りから言われた仕事を淡々とこなすだけになってしまうときがあります。マネジャーは仕事の全体像を伝え、部下が仕事の意味を考えて工夫をしていけるような動機づけを図っていくとよいでしょう。

 3.メインプレイヤーの部下は、主担当として他部署と調整することが増えるにつれ、周りの意見に左右されてしまったり、仕事を抱え込んでしまったりすることも増えてきます。仕事の段取りの立て方や他部署への協力の取りつけ方については、マネジャーが教えてあげられるかもしれません。

 そして、4.リーディングプレイヤーの部下は、職場の主力として多くの仕事を担っている一方で、職場やチーム全体への関心が薄いまま過ごしてしまうことがあります。マネジャーは、部下の育成や職場運営のテーマについて一緒に考える機会を設けることによって、4.リーディングプレイヤーの成長を支援できます。

 このように「ものさし」を使って、具体的な声かけや支援を行えば、部下に対し、公平・公正な指導・育成ができるのです。

 次回、最終回では、部下を次のステージに上げるための「アメムチ育成術」について説明します。  


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