しかし、仮想通貨に懐疑的な人にこの話をすると、「単なる子どものお遊び。フタに金銭的な価値はない」との反論が返ってきます。そして、
(1)貨幣は、商品の交換(流通)の仲介をするモノ
(2)貨幣は、商品の価値を共通の尺度で表現するモノ
(3)貨幣は、価値を保存・貯蔵できるモノ
という「貨幣の3大機能」を持ち出して、「日本では日本銀行が発行している日本銀行券を指す」という金融論を丸暗記したような補足までします。
ちなみに、日本銀行券とはもちろん、千円札や一万円札のような紙幣のことを言っているわけですが、「日銀が発行してこその貨幣である」というのは厳密には間違いです。
重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、硬貨を製造しているのは日銀ではなく日本政府だからです。
もっとも、この程度の反論などかわいいもので、私は大学の経済学部で「金融論」を学んだのですが、「貨幣とはモノではなく、債務(日本銀行)と債権(日本銀行券所有者)が記録された中央銀行が発行している借用証書」と主張する学者もいます。
貨幣は3大機能を有したモノなのか、はたまた借用証書なのかは、21世紀になった今でも経済学者の間で論争の的になっています。