中上級者用「感謝のメディテーション」
本格的なやり方は、母親や父親、祖母、祖父、養育者、当時の先生やコーチなど対象者を一人決め、(1)小学校入学前、(2)小学校低学年、(3)小学校高学年、(4)中学校、(5)高校、(6)大学、(7)社会人というように、その時期においてお世話になった事を具体的に1つ1つ振り返ります。
例えば、「母親」を対象者に選び、振り返る時期を「小学校低学年」に設定した場合、「運動会の前日に夜遅くまでゼッケンを縫ってくれていたな…」というように具体的な感謝の事柄を思いつくままに振り返っていきます。
直感的にその日、振り返りたい対象者と時期を選ぶやり方でも良いですし、1週間ごとに対象者を変えていき、曜日ごとに時期を変えていくやり方でも構いません。対象者は、親族ではない養育者でも大丈夫です。
この自分の成長過程においてお世話になったことを振り返る瞑想法は、少し本格的な内容となりますので、難しいと思われた方は、初心者用の日々出会う方々への振り返り瞑想を行うようにしてください。
また、このやり方は、休日など人と会う機会が少ない週末などを利用してじっくり行うのもお勧めです。
こうした振り返り瞑想として有名なのが、内観療法と呼ばれる心理療法です。内観療法は、元々、仏教の浄土真宗の身調べという日頃の自分の行いをチェックするための瞑想法でした。
そして、1940年代に吉本伊信先生が今の原型をつくられ、1960年代に精神医療現場に導入されるようになり、現在では、国内はもとより世界中で現代人の心の病を改善する心理療法として取り組まれています。
歴史的な流れから、伝統的なヨガの瞑想法と内観療法の概念は非常に似ており、内観療法は伝統的なヨガの瞑想法のエッセンスが詰まっているともいわれています。
こうした「感謝のメディテーション」を行うことで、自分の歩んできた人生の道のりが、いかに多くの人たちによって支えられ、今日に至っているのかということに深く気づかされることでしょう。
その結果、自己価値観が高まり、自己イメージが改善され、前向きに生きていくのに大いに役立つこととなります。
マインドフルネスや呼吸法の実践のみでは、心の根の問題、ストレス源に対するアプローチとしては、どうしても限界があります。
ぜひとも、寝る前にこうした振り返り瞑想、「感謝のメディテーション」を習慣化し、心の健康を保つようにしてください。