2016年7月には「アキラ」によるドローンのテスト飛行を実施。地上からエンジニアが遠隔操作して約96分の飛行に成功しましたが、これは当初予定の3倍もの時間だったようです。今後は、長時間の飛行をするために飛行中の電力消費量を抑制したり、夜間に飛び続けるために電力を確保したりすることが課題になっています。

 これより5ヵ月前、2016年2月には、人工衛星から撮影した画像とAIの力を活用して、世界の正確な地図作成に乗り出していくことを発表しました。

 山や川といった地形だけではなく、人工建造物などを識別して、どこにどれだけの人が住んでいるのか、どのようなコミュニティーが形成されているのかを分析した上で地図をつくるという計画です。

 フェイスブックでは、顔写真を載せると顔が認識されてタグづけを促されたりしますが、あの技術を応用して人口分布図を完成させるというのです。すでに合計156億枚の衛星データをAIに解析させたそうで、この人口分布図はエネルギーインフラや輸送インフラなど、多岐にわたる活用がなされそうです。

 フェイスブックの取り組みは、ドローンだけではありません。2015年10月には、大手衛星通信企業ユーテルサットと協力して、イスラエルのスペースコムが運用する静止衛星「AMOS6」の回線をリースして、アフリカのブロードバンド事業に進出すると発表しました。

 また、2016年4月には、ルクセンブルクの衛星通信企業であるSESの衛星回線をリースしてサハラ以南の国々のインターネット接続を可能にすることを明らかにしました。

 ザッカーバーグも語っているように、インターネットの世の中になったといっても、実はまだ地球上で4割の人しかインターネットを使えていない、というのが実情なのだそうです。

 地球上の6割は、インターネット接続がスムーズにはできていない。アフリカの奥地や海上もそうですが、いろいろな場所で通信ができないのです。

 まだ残されている6割を開拓するということ。これは、今なお残された巨大な市場です。 それを可能にするものとして大きな注目を浴びているのが、低軌道に打ち上げられる小型衛星なのです。