これまで打ち上げられてきた衛星は大小さまざまになりますが、その数は約8000にもなると言われています。現在約5000衛星が軌道にあり、そのうち今も使われているものは約1700です。今、普通に地上で過ごしている間にも、こんなにも多くの衛星が地球の軌道を回っているのです。まさに過密状態です。

 ですから、もちろん割当があります。軌道の割当です。衛星を勝手に打ち上げることはできず、国際電気通信連合(ITU)に申請しなければなりません。まるで不動産のような扱いになっているのです。

 軌道の種類については新刊『宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ』で詳しく解説していますが、大型の衛星は静止軌道と呼ばれる軌道を、小型の衛星は低軌道を回ります。先に触れた小型通信のコンステレーションでは、数十、数百という単位で飛ぶことになるので、周波数の割当をもらわないといけません。

 周波数は限られたリソースです。携帯電話の周波数なども割当が行われていますが、その合間を縫うように小型衛星用の地球観測や通信コンステレーションの周波数を取る必要があります。

 フェイスブックは、ドローンに衛星も加えたマルチプルな運用でグローバルなネットワークの構築を目指しています。

(この原稿は書籍『宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)