セクハラ文化、弱者いじめの終焉に向けて
個々人が動き出す――
しかし、しかしだ。「胎動」は、目に見えてきている。
4月20日、全米の高校生らが、銃規制を求めて、授業をボイコットするデモを起こした。コロラド州のコロンバイン高校で起きた銃殺事件から19年のこの日に、今年フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件も振り返り、銃による犯罪の撲滅を訴える狙いだ。ニューヨークの中心部で開かれた高校生の集会に行って、驚いた。集会の主催者側に女生徒が多く、参加者でも女生徒が目立った。撮影した写真を見ても、ざっと7割ほどが女生徒という感じだ。
#MeTooのデモではなく、銃規制のものだが、「stand up(立ちあがる)」「speak up(声を上げる)」ことの重要性を認め、高校生が行動に移したという意味で、無関係ではないだろう。
米国は今年11月、上院議員の一部と下院議員、州知事、自治体の首長などの選出が一斉に行われる中間選挙を迎える。そこで、共和・民主党ともに、過去最大数の女性候補者が届け出る見込みだ。同性愛者やマイノリティの候補者も相当数、予想される。選挙に立候補する、投票することによって、米国民が流れを変えようとしている表れだ。
これが、筆者が感じる「胎動」だ。セクハラ文化、弱者いじめの終焉に向けて、米国全体が動き出しているのは、間違いない。(敬称略)