女性活躍推進法が施行されて数年になるが、「女性活躍推進」という言葉にある種のモヤモヤを感じている人もいるはずだ。たとえば、「女性が活躍できないのは、ロールモデルがいないから」という言説はどこまで本当なのだろうか? 「7,400人への徹底リサーチ」と「人材開発の研究・理論」に基づいて、立教大学教授・中原淳氏らがまとめた最新刊『女性の視点で見直す人材育成――だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる』から、一部を抜粋してお送りする。

模範となる「完璧な女性」はどこにいるのか?

女性が活躍できる状況をつくろうというとき、多くの人が真っ先に語るのが、ロールモデルとなる女性の存在です。女性活躍推進の旗を振る政府も「ロールモデル創出」を謳っていますし、メディアでもそれを前提とした報道が繰り返されています。

じつは、そもそもこの言葉が何を意味しているのかもあまり明確ではないのですが、ほとんどの人が「ロールモデル」に相応しいと考えているのは、次のような複数の条件を満たす女性のことではないかと思います。