やることやアイデアを
脳の外に出してしまおう
good design company代表。クリエイティブディレクター、クリエイティブコンサルタント
ゼロからのブランドづくりをはじめ、ロゴ制作、商品企画、パッケージデザイン、インテリアデザイン、コンサルティングまでをトータルに手がける。
おもな仕事に、相鉄グループ「デザインブランドアッププロジェクト」、熊本県「くまモン」、中川政七商店、久原本家「茅乃舎」、イオンリテール「HOME COORDY」、東京ミッドタウン、オイシックス・ラ・大地「Oisix」、興和「TENERITA」「FLANDERS LINEN」、黒木本店、NTTドコモ「iD」、農林水産省CI、宇多田ヒカル「SINGLE COLLECTION VOL.2」、首都高速道路「東京スマートドライバー」など。著書に『「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』(誠文堂新光社)、『センスは知識からはじまる』『アウトプットのスイッチ』『アイデアの接着剤』(すべて朝日新聞出版)などがある。
なるべくストレスなく、早く仕事を進めるコツは「自分の頭の中に思考を入れておかない」ということです。
「やること」や「思いついたこと」などは、すべて脳の外に出してしまいましょう。
頭の中がごちゃごちゃで「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」などと考えている人は、目の前の仕事がなかなか進みません。頭の中に思考があふれてしまい、逆に動けなくなってしまうのです。
思考を脳の外に出す。具体的には「紙に書く」「スマホに入力する」「人に振る」、この3つです。
1.紙に書く
今はスタッフがマネジメントをしてくれるので、自分でやることを管理することはなくなりました。しかし、ひとりで仕事をやっていたときは、ありとあらゆることを「やることリスト」にしていました。毎日A4サイズの紙で5枚くらいはリストがあったでしょうか。請求書の作成から税金の支払いまで、すべて書いておきました。
紙に書いておいたおかげで、やることはたくさんありましたが、自分の頭の中には「やるべきこと」はひとつもなかったのです。「紙に書く」なんてあたりまえのような話ですが、実はストレスを減らすためにはとても有効なのです。
2.スマホに入力する
「あとで読んでおこう」と思った記事やアイデアはメールの下書きに入力したり、LINEで自分だけに送ったりします。
ちなみにぼくのメールボックスには今、279件の下書きがたまっています。そこには、ありとあらゆるインプットやアイデアが詰まっています。飲みに行ってみたい店、スタッフの性格の分類、妻が息子のためにつくった「おへそ探検隊」という歌の歌詞……。
これらは段取りの準備でもあり、同時にセンスにも必要な「知識のインプット」です。ネタ帳であり、思考の材料でもあります。
3.人に振る
これは今の立場になったからできることかもしれませんが、新しい案件が入ると、まずはスタッフやプロデューサーに渡してしまいます。
クライアントと会ってお話しする中で「今度はこれをお願いしたいな」「これ、ちょっと考えておいてもらえませんか」と言われたら、すぐに「こういう話があって、こう言われたよ」ということをメールするのです。
知り合いとLINEでやりとりする中で決まった仕事はそのままそのやりとりのスクリーンショットを送るときもあります。