スケジュールに「余白」をもつ

 このときに使えるのが、下図のマトリクスです。「1 重要度が高く、納期が短い」「2 重要度が低く、納期が短い」に該当する優先度の高いプロジェクトからスケジュールを固めていきます。

部下に仕事を任せて「ラク」になったマネジャーが出世する“当然の理由”

 重要なのは、「3 重要度が高く、納期が長い」の象限に入るような案件。これは、現時点では優先度は高くありませんが、将来的なチームのプロモーションにとっては大きな意味をもちます。「重要度の高い」案件が定期的にアウトプットできていることのインパクトが大きいからです。ですから、担当者からしっかり情報を得て、実現可能性を確認したうえでスケジュールを固めます。

 また、ここでマネジャーに問われるのが、「上層部の動向を把握しているか?」ということです。日頃から、直属の上司や社内キーパーソンから情報を得て、上層部がこれから動かそうとしているプロジェクトを把握できていれば、その影響で自分のチームに新たな案件が降りてくるかもしれない、と想定することができます。

 もちろん、あくまで想定ですから、実際にどうなるかはわかりませんが、そうした将来的に発生するプロジェクトも意識して、定期的にアウトプットを出し続けるための長期的なスケジュール感をイメージしておくことが大切です。

 ただし、スケジュールを埋め尽くしてはいけません。必ず、若干の「余白」を設けておくことを忘れてはなりません。なぜなら、企業活動においては、常に「緊急案件」「突発案件」が発生するからです。こうした状況に即応してアウトプットを出すこともインパクトをもちますから、そのための「余白」をもっておいたほうがいいのです。

 あるいは、チームに余力のある時期に、「どの部署も手を差し伸べなかった案件」や「地味な案件だけど、実施すれば社内で感謝される案件」などを引き受けることもできます。これができれば、上層部からのチームに対する評価は大きく向上するでしょう。