日本とアイスランド。いずれも海に囲まれた島国だけに、漁業が盛んだ。しかし、その実態は大きく異なっている。水産物自給率を見ると、アイスランドの256%に対して日本のそれは62%と、遠く及ばない(勝川俊雄氏の著書『日本の魚は大丈夫か』 より)。その差はどこから来るのだろうか。

 アイスランドの首都・レイキャビクは、おいしい食べ物があふれる街だ。20数万人の人口にもかかわらず、イタリアンから和食、タイ料理まで、食のバラエティは幅広い。肉もよいが、魚好きの日本人としては、旅先で魚介のうまみが味わえるとホッとするものである。

 たとえば、魚用のコンテナを再利用した小さな店に入ったときのこと。ロブスター・スープを頼むと、大きなマグカップにぶつ切りにしたロブスターの切り身とじゃがいもがゴロゴロ入っていて、なかなか食べがいがある。しかも、パンと一緒で600円程度と非常に手頃だ。

 市内には、数軒だが寿司屋もある。メニューに書かれたネタは、サーモンからマグロ、マス、しめ鯖、うなぎ、カレイ、変わったところではクジラから馬肉。出るまでに少し時間はかかるものの、どれも新鮮だ。

日本の課題と取り組み<br />震災でより鮮明になった漁業復興の難しさロブスター・スープ(右)と、新鮮な魚介を使った寿司