課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。

優秀なマネジャーは「上層部の会議」で<br />何を観察しているのか?

経営会議で最大限に「視座」を高める

 課長クラスのマネジャーが経営会議に同席するチャンスをつかむのは、チームのためにも、メンバーのためにも、そして自身のキャリアのためにも非常に重要なことです。そして、このチャンスは、ジッと待っていても訪れることはありません。遠慮せず謙虚にチャンスをつかみにいかなければならないのです。

 このチャンスがもたらしてくれる「学び」には絶大なものがあります。一言でいうと、「視座」を最大限に引き上げてくれるのです。もちろん、「視座」を高める努力は日頃から不可欠です。自分が担当する現場のチームのことだけを考えるのではなく、部長の視点でモノを考えるクセをつける。企業理念・経営戦略を咀嚼して、経営層の視点を自分なりにシミュレーションしてみる。そのような努力によって、組織のなかでより適切なアクションを起こすことができるようになるのです。

 しかし、その「視座」を高める最大のチャンスは、経営会議に同席することをおいてほかにはありません。会社における最高意思決定の場に身を置くことでしか学べないことがたくさんあるからです。特に、自らの「視座」を高めるために意識すべきなのは、【下図】の3つのポイントです。順にご説明していきます。

優秀なマネジャーは「上層部の会議」で<br />何を観察しているのか?