『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』の発刊を記念し、2018年12月18日にイベント「孫泰蔵とみんなで描く!つまらなくない未来」(Mistletoeとダイヤモンド社が主催)が都内で開かれた。孫泰蔵氏に加え、キャリアの異なる6人の豪華ゲストと、参加者約100人が集まり、働き方や教育、女性活躍、伝統産業・文化など10に及ぶテーマから、つまらない未来とは何か、そして「つまらなくない未来」をそれぞれがどう描けばいいのかを語りあった。今回は、全3回の中編として「教育」をテーマにお届けする(構成・撮影 小島健志)。

AI・ロボット時代を自分らしく生き抜くための
「つまらなくない教育」とは?

司会 事前アンケートで最も関心の高かったテーマが教育です。「AI・ロボット時代において、つまらなくない教育とは何でしょうか」。自分らしく生きられる、好きなことをやってもいい、できることをどんどん伸ばす。そんな教育とはどのようなものだと思いますか。

巣籠悠輔 Yusuke Sugomori / MICIN 取締役CTO
学生時代にGunosy、 READYFOR の創業に関わり、 大学院修了後は電通にてデジタルクリエイティブの企画・制作、ディレクションに従事。Googleニューヨーク支社勤務を経て、MICINを共同創業。2016年9月より東京大学招聘講師。 著書に『Java Deep Learning Essentials』(Packt Publishing)『詳解ディープラーニング』(マイナビ出版)等。東京大学工学部システム創成学科卒(首席)、東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻卒。

巣籠 まず、将来的に2種類の人間に分かれると思っています。「AIを作る人」と「AIを使う人」です。作る人の説明はいらないと思いますが、AIを使う側で大事なのは、スキルのボトムラインが上がるということです。たとえば、医療現場でAIを使うと、研修を終えたばかりの医師がベテランの医師と同レベルの手術ができるようになるのです。
 スキルレベルの底上げができるので、さまざまなことにチャレンジするハードルも下がるでしょう。そのため、少しでも、自分の興味がありそうなことを見つけておいて、AIのサポートが得られるようになったら、AIを使って突き進むのがいいと思います。

堅田 コンサルティングの際、よくいただくのが「データサイエンスやデータ分析で何かできないでしょうか」というご相談です。ですが、「何かできないのか」といわれても、残念ながらできません。
 実はこうした方々は、自分たちが何をしたいのか、つまり「WHAT」がないのです。何をしたらいいのかを考え抜けないから、どのように分析したらいいのか、「HOW」にもたどり着けない。
 本来、何をやりたいかがあって、どうやったらいいのかと考え、そしてもっと何をしたらいいのかなどと、「HOW」と「WHAT」の行き来することが望ましいと感じています。社会人教育の現場にいると、子どものころから、その2つをぐるぐると行き来できたらいいなと思います。