正しい漢字で覚えないと点数にはつながらない

 感覚をフル活用して覚えたことも、書けなければ意味がありません。

 茨城県、滋賀県、札幌、那覇……都道府県名や県庁所在地をいくら知っていても、それを解答用紙に漢字で正確に書けなければダメなのです。

 西郷隆盛、井伊直弼、壬申の乱、廃藩置県……人物名も事件名もすべて同様です。とくに歴史問題においては、いくら耳や目で知っていても、それを漢字で書けなければ点数につながらないと肝に銘じてもらう必要があります。

 私たちの頃と比べ、ITを手にした今の子どもたちは、検索能力は格段に高くなっています。だから、歴史上の事柄について「そのことは知っている」と認識している子どもは多いのですが、実際には書けなくなっています。

 なんとなく文字は頭に浮かんでも、横線が一本足りないとか、シメスヘンにすべきところがコロモヘンになっているなど、正確ではないのです。

 ちなみに、数年後には大学入試でパソコンが使われるようになり、そうなれば解答もキーボード入力で行われるでしょう。しかし、文字変換がどこまでなされるかはわかりません。それに、時間が争われる中で文字の選択に悩んでいれば遅れを取ります。

 いずれにしても正しい漢字で覚えることは必要で、その時期は早いほどいいのです。最初から徹底して、正しい漢字で書くことを追求しましょう。

 こうした習慣は、普段の生活からも身につきます。家族間のやりとりも、スマホのラインだけでなく、自分の字で書くメモなども活用しましょう。そして、ちょっとしたメモを残すのでも、できるだけ漢字で正確に書くクセをつけさせましょう。

 そのためには、両親のあり方も問われます。普段から親がいいかげんな文字を書いていたら、子どもも「それでいいのだ」と思うでしょう。