これまで、日本の自動車各社は、トヨタはパナソニック、日産はNEC、ホンダと三菱自動車はジーエス・ユアサと組んで車載電池の調達を進めてきた。

 その中で日産は、ゴーン元会長による「日産はEVの世界のリーダーとなる」経営方針の下でEV販売拡大をもくろんだが、結果的に伸び悩んだ。日産は、NECとの合弁電池子会社「オートモーティブエナジーサプライ(AESC)」を中国ファンドに売却し、外部調達に切り替えた。

 最近では、ハイブリッドシステムの変型であるe-パワーが主流となっている。昨年末に発表を予定していたEVリーフのハイパフォーマンスモデルは「ゴーン問題」で延期となり、年明けの1月に「リーフe+」として発表にこぎつけた経緯もある。

トヨタとパナの統合は
中韓への対抗

 世界の車載電池メーカーとしては、中国のCATLが首位で2位にパナソニック、3位に中国のBYDがトップシェアを分け合う。これに続くのが韓国のLG化学、サムソンSDIであり、このところ中韓の電池メーカーの生産能力拡大が急激に進んでいる。

 トヨタとパナの車載電池事業の統合は、いわば中韓への対抗ということにもなる。両社連合によってリチウム資源の調達はトヨタ子会社の豊田通商によって安定確保され、EV基盤技術開発のEVキャスに参加している日本車各社に加え、パナとも取引関係にあるホンダへの供給ということにもなれば、量産によるコスト削減にもつながることになる。

 ポストリチウム電池の本命とされる全固体電池の実用化の方向とともに、電池の国際規格の統一や電池の回収・利活用のシステム構築に向けてもトヨタ・パナソの新会社が仲間づくりを進めることができれば、世界の電動化の覇権を握ることにもなろう。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)