八白の子どもも「損得」ではなく
「人情」で友情の輪を広げよう

 最後は「山の八白」です。
 八白の子どもは、自身のコミュニケーション能力を磨くのが子どものうちは少し難しいかもしれません。

 なぜなら、対人関係においては「損得感情」を抜きにして、「人情」で人と触れ合うことが、八白の子どもにとって最高に人格を高めるシチュエーションだからです。

 八白の人は身の丈を超えた欲を起こすことがないようにすることが、人づき合いのコツなのです。

 ですから、損得で物事を考えて人とつき合うと、決していい出会いもありませんし、仮にいい人に出会えても長続きしない星にあります。

 八白の子を持つ親御さんは、常に「物事を損か得かで考えるのではなく、良いか悪いかという善悪で考えられる人間」になるように教育していくことが大切です。
 そうすれば、人情深い、八白の良さががにじみ出た素晴らしい大人に将来成長します。

 自己表現については、八白の人には「イノベーション」を起こす使命があることを忘れないでください。
 山は、時に噴火をして大地に地殻変動を起こすように、社会に革命をもたらす気概を持っています。

 それが、八白の人間が最高に輝く瞬間です。
 吉田松陰や高杉晋作も八白です。
 どうですか? まさに革命家ですよね。

 ですから、八白の子には、何か強い信念を持たせて、それに向けて継続性を持って努力させることが何より大切になります。

 いずれ、八白の気質が磨かれたとき、その才力は何かイノベーションを起こして社会を大きく変える力があります。

 八白の人は日々の積み重ねの中で何か未来への糸口をつかんだとき、その瞬間、自身の積み上げたパワーを一気に発揮できる素晴らしい能力があります。
 普段は無理してパワーを出さなくていいのです。
 どっしり身構え、いざというときにフルパワーを発揮すればよいという教えを、ぜひ八白の子には伝えてあげてくださいね。必ず、大きな結果を生みますから。

 さて、数回にわたって、2020年からの「教育改革」にあたって求められるコミュニケーション力と自己表現力の、ナインコード別の磨き方をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

 数年後からは、高校受験、大学受験、入社試験など、様々な試験において、これらの力はより重視されるようになります。

 子どものうちから、きちんと自分の磨くべき方向性を理解してさえいれば、無駄なことはしなくてすみますし、なにより無駄に悩んだり苦しんだりすることもありません。この連載を読んだ親御さんたちは、ぜひとも、子どもたちへのひとつの教育として行ってみてくださいね。

中野 博(Hiroshi Nakano)
信和義塾大學校創設者兼塾長、経営コンサルタント
早稲田大学商学部卒業。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院ブランディング実践講座エグゼグティブコースを修める。ハーバードビジネススクールでは経営学を学ぶ(いずれも短期集中型の経営者クラス)。1992年、地球サミットに国連認定ジャーナリストとして参加したことを契機に環境ジャーナリストとして活動。1997年の地球温暖化防止京都会議を機に、株式会社エコライフ研究所設立。環境ジャーナリストとしての取材・分析力と経営コンサルタントとしての提案力をベースに、800社以上を環境ビジネスに参入させ成果を挙げる。その傍ら、住宅、環境を軸にした本を多数出版(本書が30冊目)。講演依頼も多く、国内外で2000回以上の実績。2005年、教育研修会社の株式会社ゴクーを設立。1万人のサンプリングを体系化した『9code(ナインコード)』をもとに、信和義塾大學校で指導にあたるほか、企業や各種組織で『9code』を利用したコンサルティングや人材活用研修も多い。現在、信和義塾大學校は、世界6ヵ国20都市以上にあり、塾生は700名超。