自己分析が
「エンタメ」になっている
箕輪 俺、取材とかで自分のことをストーリー化して話すのは好きなの。超楽しいもん。
前田 で、みんなが「おもしろい」と言ってくれるのがきっと楽しいんだよね(笑)。
でも確かに人と話していると、「言語化するのが難しい。どうすればできるようになりますか?」とよく質問されるんです。
ただ、僕としてはもはや言語化することが「簡単」とか「難しい」かすら意識していなくて、それはオンラインでもオフラインでも「オーディエンスがいる」という状態に慣れているからなのかなと思います。講演の機会はもちろん多いけど、つねにSNSの向こうには何十万人かのフォロワーがいて、彼らに向けて話している、というイメージがある
箕輪 メタ視点だよね。
前田 まさに。『スッキリ!』(日テレ系列の情報番組)に出演しているときとか、1000人の前で講演会している時とか、自分を引いた目で見ると、我ながら「言語化、わりと得意だなこの人」と思うこともあります(笑)。おごっているのではなく、あくまで客観視して。ダメな時は、あ、ダメだ、とも思うし(笑)。
そういう意味では、先ほど話した「メモ魔会」ってちょうどいいんですよ。
グループになって、「あなたは?」「あなたは?」と順番に聞いていくから。「相手にわかりやすく話そう」というモチベーションが働くんです。しかも「メモ魔会」って、僕らは一切作ろうとしてないんですよ。勝手にみんな集まって、ほぼ全国の主要都市で活動しています。
箕輪 すごいよね。自己分析が「エンタメ」になっている。
前田 僕はその全国の「メモ魔会」とSNSでやり取りしているんですけど、「楽しいから」「おもしろいからやる」という動機も重要だな、と感じるんです。僕の場合は「楽しい/楽しくない」は関係なくて、「勝つこと」が大前提。自分の究極的なゴールが見えていて、そこへたどり着くために必要なことだから絶対にやる。モチベーションにするエネルギーが明確にあるんです。でも、僕みたいなパターンだけだと、なんだか、人生息苦しいじゃないですか。
だから箕輪さんみたいに楽しそうなことを見つけて、「ワクワクするからやる」というのが一つの成功事例になっていくのは、とても意味のあることだと思うんです。
箕輪 いやぁ、でもやっぱり俺くらいの動機だと弱いんだよね。俺が大きなことを成し遂げるのは難しいだろうなぁと思うのは、「コア」の部分がないから。毎回猛ダッシュしているわけ。「あっちがおもしろそう!」「あれがいい!」とダッシュしていってみたら、「うーん、ちょっと違ったかなぁ」みたいなこともある。いまはSNSの時代だから、そのプロセス自体がエンタメになってウケてはいるけど、大きな成果には近づけていない。いろんな方向へダッシュを繰り返しているだけのような気がするんです。