店員に土下座を強要する、同僚に暴言を吐く、SNSに悪評を書き込む。そんなモンスタークレーマーが急増している。理不尽な要求を突き付けられ、精神的に参ってしまう人も少なくない。人手不足に悩む企業にとって、モンスタークレーマーは生産性を低下させる元凶だ。しつこいクレームを断ち切り、モンスターを撃退するための実践的技術を伝授しよう。

STEP2 30分以内を目安に、妥協点をさがす

 5分たっても解決できなかったら、そこには必ず何らかの理由がある。STEP2では受け身の姿勢で話を聞き、相手の動機や目的を見極める。話を聞く時間は30分をめどにする。時間を決めて切り上げるようにしないと、相手のペースにはまってついついD言葉(ですから、だって、でも)を使ってしまったり、出口が見えない苦しさから安易に要求をのんでしまったりすることになる。ここで解決を急ぐと、要求がエスカレートするので要注意だ。

 また、妥協点を見つけるために、この段階で「何ができて何ができないか」ということを頭の中で整理しておこう。

 目安の30分を過ぎても相手が理不尽な要求を繰り返すようなら、「ギブアップトーク」を使う。「今すぐ答えろ!」「今すぐ来い!」などと迫られたら、「私一人では判断できません」「お急ぎかもしれませんが、今すぐというわけにはいきません」と返せばよい。ギブアップといっても相手の言いなりになるのではなく、一歩斜め後ろに身を引いて相手の土俵に乗らないようにするのである。

 相手がさらに「SNSで拡散するぞ!」「ふざけるな!」などと脅し文句で責め立ててきたら、Kから始まる究極のギブアップトーク「K言葉」が有効だ。「困りましたね」「そんなに責められると苦しいです」「大声で怒鳴られると怖いです」など、自分にはもうお手上げだと演出することで、クレーマーの中には気勢を削がれ、捨てぜりふを残して引き下がる者もいる。

STEP3 会社が一丸となってクレーマーに「NO」を伝える

 ここまでやっても解決しないなら、もはや相手は「モンスタークレーマー」だと割り切ろう。図のような脅しのせりふが飛び出すようなら、悪質クレーマーだと断定しても構わない。もはや「顧客満足」を優先する必要はなく、「危機管理」へモードをチェンジする段階だ。

 従ってSTEP3では、会社が一丸となってクレーマーに「NO」を伝える。担当者個人ではなく、組織としてクレーマーに対応することで、担当者の心理的な負担を軽減することができるだけでなく、クレーマーの攻撃の矛先を分散させることもできる。

 中にはしつこく何度も電話してきて怒鳴り散らすクレーマーがいる。そんなときは、受話器を耳から離してみるとよい。怒声がただのノイズにしか聞こえなくなる。常軌を逸したクレーマーは「壊れたスピーカー」だと考えるとずいぶん気持ちが楽になる。

(週刊ダイヤモンド2019年2月16日号「クレーマー撃退法」を基に再編集)