今、社長の人も、これから社長を目指す人も、さらにレベルアップ、スキルアップするためには、何をどうすればいいのでしょうか? 人気コンサルタント小宮一慶氏の最新刊『社長の成功習慣』(ダイヤモンド社、9月5日発売)は、経営者になる人にぜひ身につけてほしい50の行動習慣について解説した社長のための教科書です。本連載では、同書から抜粋して、経営者としていっそう成長するためのポイントについてお伝えしていきます。

経営者に必要なのは、「10年後の変化を読む」能力Photo: Adobe Stock

環境変化を読む能力高めるトレーニングとは?

 「何をやるか」「何をやめるか」を決めるには、世の中の変化を読み取る力が必要です。

 そこで、「環境変化を読む能力を高めるためのトレーング方法」を説明しましょう。

 私はコンサルタントとして、さまざまな企業で経営計画の策定についてアドバイスしてきました。しかしコンサルタントがアドバイスしたからといって、それらの会社がすべて素晴らしい経営計画を立てられるわけではありません。

 うまくいく会社もあれば、うまくいかない会社もあります。

 では、その差は、一体どこで生じるのでしょうか?

 私は、理由の1つに「10年後を見ているかどうか?」があると考えています。
 ・10年後、世の中はどう変化しているだろうか?
 それをふまえて、
 ・10年後、自社はどうなっているだろうか? どうなっているべきか。
 そんな視点を持って想像できているかどうかが、良い経営計画を策定できるかどうかを左右します。

 もちろん、10年後のことなど誰にも分かりません。しかし、世の中の動きに関心を持っていれば、想像力を働かせることは可能です。

 もっと言えば、10年後の世の中をあらかた考えたうえで「自社はどうあるべきか」を具体的に考えられることが重要なのです。

 ここで、10年後の未来について世の中がどのように変化しているのか、見聞きしているニュースや情報などをふまえて想像してみてください(ここでとにかく、考えてください)。

 少なくとも、AI(人工知能)やロボットがますます発達していることは間違いないでしょう。

 高速道路では、高い確率で自動運転車が走っているのではないかと思います。

 また、計画どおりであれば2027年には品川~名古屋間をリニアモーターカーが走り、40分で結んでいるはずです。

 人口動態に目を向けると、団塊の世代が後期高齢者になり、社会保障制度の財源不足はますます大きくなっているでしょう。

 国際情勢に関しては不透明ではありますが、中国の急速な経済成長が鈍化していることは間違いないと思います。

 「一人っ子政策」の影響で、生産年齢人口が2010年代半ばをピークに減少を続けているからです。