逆に、自分の成長を認めて育てられた人は、他者との比較ではなく、過去の自分と比較して自分の成長を客観的に認めることができます。これまでの自分と比べるので、ほとんどの場合は成長しています。さらに自分で自分をほめようとするのですから、評価の基準は甘くなり、自己肯定感がもっと高くなっていきます。
ほめるときは、その人の存在自体をほめることが大切なのです。
誤ったほめ方とは、次のような言い方です。
「テストで100点取れて、すごいね」
「試合で勝って、すごいね」
これらは、成果に対するほめ方です。
僕は児童養護施設で働いていたとき、こういうほめ方をしないようにしていました。「テストで100点取れて、すごいね」と言われると、自己肯定感の低い子どもたちは、逆に100点を取らないとすごくない、ということが潜在意識に残るのです。
潜在意識は現実化します。
だから、100点を取ったこともほめながら、そもそも行きたくもない学校に行って、嫌なテストに挑戦したことや、その子が生きていること自体をほめていました。わかりやすく言うと、ほめる部分は、過去の自分を超えた部分です。
「○○君はできるのに、どうしてできないの?」と他人との比較は絶対にせず、「前よりもここができるようになっているね。がんばったね」と本人の成長した部分をほめるようにします。
誰でもがんばっているので、そのがんばりをほめられると、素直に嬉しいものです。
この過去の自分からの成長をほめるということは、自分ではなかなか気づかないものなので、ほめられることで自己肯定感が上がっていきます。
もちろん、自分でほめても大丈夫です!