強みを探る方法

 ここで部下の強みを探る方法をまとめておきます(図表3-4)。

部下の中に眠っている「潜在的な強み」を探る方法

(1)情報収集:第1の方法は、プライベートの話や雑談から、部下の強みを探るアプローチです。これに加えて、部下の同僚、元上司、関連部門のマネジャーから情報を収集することもおすすめします。自分には見えていないけれども、他者には見えることもあるからです。

(2)仕事の観察:第2に、部下の仕事ぶりを観察し、良い働きをした場面を振り返り、そこから強みを把握する方法があります。新人や異動したばかりのメンバーの場合には、いろいろな仕事を任せてみて、その働きぶりを見ましょう。

(3)部下からの情報:第3の方法は、部下自身からの情報収集です。すでに述べたように、仕事を通して成長した経験を振り返る「仕事経験レビュー」を書かせることも有効です。また、強み中心のアプローチで用いられる手法として、部下に対して「ご家族や友人が、あなたの強みがどこにあると思っているかを聞いてきてください」という指示を出し、その内容をもとに強みを把握する方法もあります。

(4)強みリストの活用:最後の方法は、付録Aに掲載している3タイプの強みリストを活用するものです。既述したように、部下による自己評価と、上司による評価をすり合わせたり、職場メンバー全員で相互にチェックすることをおすすめします。

 なお、部下本人の強みと、部下の関心が一致するケースもあれば、一致しないケースもあることを認識しなければなりません。つまり、「得意だけれども、やりたくない」というケースです。

 リクルート社は、Will(やりたいこと)、Must(やらなければならないこと)、Can(できること)という3つの要素からキャリアをとらえていますが、育て上手のマネジャーは、部下のCanを伸ばすような指導をする傾向がありました。Can(できること)を膨らませることで、結果的にWill(やりたいこと)に近づけるというアプローチです。その際、「あなたの強み(Can)を伸ばすことで、将来、あなたのやりたいこと(Will)ができるようになるよ」というような指導をしていたのです。このようにCanから出発してWillを実現するような指導が有効だといえます。

バックナンバーはこちら↓
第1回 育て上手のマネジャーは部下をどのように指導しているのか
第2回 弱みに目を向けるだけでは、部下は成長できない
第3回 「育て上手のマネジャー」と「平均的マネジャー」はどこが違うか?