男性ホルモン=「テストステロン」は、体調を左右するホルモン。たとえば、快楽物質の「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」、快眠を促す「メラトニン」などのホルモンの分泌を促したり、女性ホルモンを作り出したりします。
不足してしまうと、体調不良の一因にもなるこのテストステロンと上手に付き合う方法が書かれた書籍『「男性医学の父」が教える最強の体調管理』から抜粋して編集、ご紹介します。今回はホルモン注射をしたコラムニスト、石原壮一郎氏の体験記(前編)をご紹介します。
コラムニスト・石原壮一郎(56歳)が
テストステロンを注射した!
「石原さん、よかったら男性ホルモンの注射をしてみてはいかがですか」
「えっ、いや、でも、たしかに若い頃と同じようにはいきませんが、今のところとくに悪いところはないので……」
いきなり登場して恐縮です。熊本先生に男性ホルモンや男性医学についてのレクチャーを受けつつ、この本の構成をお手伝いしている石原壮一郎と申します。
いつまでも若い気でいましたが、ふと気がつくと56歳。男性ホルモンが気になるお年頃ではあります。
ある日の取材中に、熊本先生から冒頭のご提案がありました。たしかに、打ったらどうなるのか興味があります。しかし、いちおう元気なつもりの自分が打っても、大丈夫なものなのでしょうか。
「元気だからこそ、早めに検査して、自分の男性ホルモン値を知っておくことが大切です。元気な人が男性ホルモンを注射しても副作用はないし、打ってみて気持ちや体がどう変化するかを体験してみるのもいいと思いますよ」
なるほど、そうですね。さすが男性医学界の父、その説得力は半端ではありません。しかも、男性ホルモンのレジェンドである先生に直接診察していただけるなんて、私の男性ホルモンも果報者です。せっかくのチャンスなので、「はじめての男性ホルモン注射」に挑むことにしました。
注射を打って男性ホルモンの量が増大したら、はたして何が起きるのでしょうか。もしかしたら、原稿がバリバリ書けるようになったり、企画が湯水のように湧いてきたり、早起きしていきなりマラソンを始めたり、女性に対する興味や意欲が一気に高まってイタリア人みたいなキャラになったりするかもしれません。新しい自分、新しい人生への期待が、どんどんふくらみます。
といっても、いきなり注射するわけではありません。まずは、詳しい問診で体や心の状態を確かめ、血液検査や尿検査で現在の健康状態や男性ホルモン値をチェックします。
血液や尿を検査機関で分析してもらうのに通常2週間ほどかかるので、その日のうちに注射を打ってもらえるわけではありません。最低でも2回は足を運ぶ必要があります。
予約をしたとある日、銀座にある医院へ。熊本先生は、現在は「オルソクリニック銀座」にて診察を担当なさっています。その日を待ちかまえて、九州や関西など西日本方面から先生の診察を受けに来る患者さんも少なくありません。