毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」から、入浴で自律神経と腸の働きを最大限に働きかけるにはどうすればいいのかの、エッセンスを紹介します。

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腸と自律神経の切っても切れない関係

 腸が整うと、体にとっていいことがたくさんありますが、実は、そんな腸を支配下に置く器官があります。それは、自律神経です。
 腸には、「輪状筋」と「縦走筋」という2つの筋肉があり、それらがリズミカルに収縮を繰り返すことで、内容物(便)を移動させています。その動きのことを「ぜん動運動」と言います。そして、「ぜん動運動」をコントロールしているのが、自律神経なのです。

 副交感神経が優位になると、ぜん動運動が促進され、交感神経が優位になると、ぜん動運動が抑制されます。「旅行へ行くと便秘になる」という方もいるかもしれません。それは見知らぬ土地でナーバスになり、交感神経が刺激されたことで、ぜん動運動が抑制されたからだと考えられます。

 このように、自律神経と腸はリンクしており、密接に関係しています。
 したがって、自律神経のバランスが悪くなると、その支配下にある腸の調子も悪くなりますし、自律神経のバランスが整えば、腸の調子もよくなります。この関係性は逆もまた成り立つので、腸の調子が整えば、自律神経のバランスも整います。
 なんだか不思議に思われるかもしれません。けれども、人間の体は、各器官があらゆる部分とつながり、ネットワークを築くことでひとつの生命体を維持しています。ですから、AがBに影響を与えるなら、BもAに影響を与えるのは当たり前のことであり、それによってBとつながっているCにも影響が及ぶ……というのも、当然だと言えるでしょう。

 さぁ、これで、「疲れ」と「痛み」のない体を作るために入浴が最善である真の理由が、おわかりいただけたのではないでしょうか。

 入浴によって、自律神経のバランスが整い、血流がよくなる。入浴によって、腸の調子が整い、血液の質がよくなる。そして、自律神経と腸はつながっている。
 だから、入浴すると痛みの元となる物質が排出され、なおかつ血液の質が高まる。
 つまり、「疲れ」と「痛み」のない体を効率的に作ることができる。
 ここにさらに、私が考案した「バス・ストレッチ」を加えることでこの効果を最大限にまで高めたのが、「小林式 究極の入浴法」なのです。