毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」から、入浴で自律神経と腸の働きを最大限に働きかけるにはどうすればいいのかの、エッセンスを紹介します。

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入浴×バス・ストレッチが最強の効果を生むわけ

 ただ入るだけでも、疲れが取れるお風呂ですが、お風呂の中でストレッチをすることによって、さらに大きな効果を出すことができます。「医者が教える 小林式 お風呂健康法」では、お風呂の中で行う8種類のストレッチ=バス・ストレッチを紹介しています。このバス・ストレッチは自律神経に効くことが認められた医学的なものです。

 「入浴」×「バス・ストレッチ」というWのアプローチが、なぜ健康を増進させる最強の方法なのか、そのポイントは、3つです。

(1)血行促進効果が高い
(2)浮力がある
(3)水の抵抗がある

 真っ先に挙げられるポイントは、血行促進効果が高いということです。
 入浴によって外側から温められた体が、バス・ストレッチを行うことで体の内側からも熱を作り出し、血流を促進します。外と内、両方から血行を促すことで、全身の37兆個の細胞一つひとつに酸素と栄養が行きわたると同時に、自律神経のバランスを高いレベルで整えます。
 凝り固まった関節や筋肉がほぐれるので、体が硬い人でも取り組みやすいというメリットもあります。自宅でホットヨガを行っているようなものだと言えるでしょう。

 2つ目のポイントは、浮力があるということです。
 水中では、肩までつかると体重が分の1程度になり、胸までだと3分の1程度になります。そのため、体の重さを受け止めていた筋肉や関節の負担が減り、体を無理なく動かすことができます。

 私たち医師が、患者さんへ運動を勧める際に肝に銘じていることは、健康被害が生じないようにすることです。
 運動は、同じ運動だとしても、行う人によってメリット・デメリットの生じ方に違いがあります。たとえば、安全で健康効果が高いと言われているウォーキングでさえ、ふだん運動をしていない人や、体重が気になる人が行った場合は、膝を痛めてしまうことがあります。せっかく体にいいと思って努力をしたのに、かえって体を悪くしてしまうのは非常に残念なことです。
 ですから、「体に無理な負担をかけない」ということは、運動を考えるうえでの大前提となります。
 その点、バス・ストレッチは、多くの方にとってメリットが大きい方法です。浮力の作用は医療・福祉現場でも活用されており、疾病や障がいで、陸上では思うように動けない方も水中でリハビリを行っています。膝や腰が痛い人は、痛みを忘れて取り組むことができますし、特に痛みがない人も、負担をかけることなく実践できます。