毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」から、入浴で自律神経と腸の働きを最大限に働きかけるにはどうすればいいのかの、エッセンスを紹介します。
週7回以上入浴すると要介護のリスクが減る
近年、「健康寿命」という言葉がよく言われます。健康寿命とは、介護や人の助けを借りずに普段の生活の動作が1人ででき、健康的な日常が送れる期間のことをいいます。これを伸ばすにはどのようにしたらよいのでしょうか?
そのヒントになるかもしれない研究があります。それは「入浴の習慣がある人ほど、要介護リスクが減る」というもの。これは、千葉大学が全国18市町村に居住する要介護認定を受けていない高齢者約1万4000人を対象に行ったもので、入浴する頻度と新規要介護認定との関係を3年にわたって調べたものです。その結果、週に7回以上入浴する高齢者は週0~2回の人に比べて、約3割、要介護認定のリスクが減少していることがわかったそうです。
平均寿命よりも、健康寿命の大切さがうたわれている今、入浴という身近な方法で要介護のリスクを減少させられるというのは朗報でしょう。
このような結果が得られる理由は、入浴によって血流がよくなるからだと私は考えます。体と脳に酸素や栄養が行きわたることで、身体的にも脳機能的にも健やかさが保たれるのでしょう。気分がリフレッシュするという心理的な作用も脳によい刺激を与えていると推察されます。