たとえ空振りしても
間引き運転を受け入れよう

 ただ、進路の予想がある程度可能な台風に対して、雪の予想は非常に難しい。例えばJR東日本は2013年2月6日、東京都心で最大10センチの積雪という予報を受けて間引き運転を決定した。しかし、実際には運行に影響が出るほどの積雪にはならず、列車が混雑するだけの結果に終わり、批判の対象にもなった。

 しかも台風による計画運休は、おおむね毎年1回以上行われているが、雪の間引き運転は数年に1度であり、毎度、前回の大雪を忘れたかのような混乱が繰り返されることになる。

 だが、頻度が低いからこそ、確率の低さに目をつぶるという考え方もできるはずだ。台風の計画運休ですら、空振りになることはある。それでも私たちの社会は、安全確保と混乱を防ぐための計画運休を支持することにした。

 そうであれば同様に、大雪が予想され、間引き運転が予告されている場合には、休業や始業時間の繰り下げなど、計画運休に準じた対応を行うことも検討されてしかるべきだろう。どのみち東京という都市は、大雪に対応できるようにはできていないのだ。今年は大雪にならないかもしれないが、雪の備えについては考えておく必要があるのではないだろうか。

【お詫びと訂正】 記事初出時、2ページ目の2段落目、「東急東横線の回送列車が滑って止まり切れず、」とありましたが、回送列車ではありませんでした。お詫びして訂正いたします(2020年1月27日 14:40 ダイヤモンド編集部)