介護状態になる最大の要因が認知症だ。2025年には65歳以上の認知症患者数は700万人を超えると予測されている。それに応じて保険商品の開発が活発で、認知症を発症する前段階から給付金が出る商品も登場。大手生保もこぞって参入し始めたこの分野を制したのはどこか。特集「保険商品ランキング【2019年度下期版】」(全8回)の最終回では、認知症保険ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
脳にアミロイドβというタンパク質がたまって正常な神経細胞が破壊され、脳萎縮が起こることで発症するとされるのが、アルツハイマー型認知症。いわゆる認知症で最も多いタイプだ。要介護になる最大の原因であるということができる。
本特集#7で介護保険を取り上げたが、認知症保険は介護保険の対象を認知症に絞った保険だといえる。いわば、保障する疾病をがんに絞ったがん保険と医療保険の関係に近い。
その認知症保険が話題になり始めたのは、ほんの数年前のこと。起爆剤となったのは、2016年3月に太陽生命保険が発売した、生命保険業界で初となる認知症の治療を支援する商品だ。この商品は認知症と診断され、所定の状態が180日間継続した場合に給付金を支払うというものだった。
それから数年が経過し、今では認知症の予備軍といえるMCI(軽度認知障害)と診断されることを給付条件とする商品や、さらには認知症の予防に対して給付金を支払うという商品まで登場している。そして、大手生命保険会社も続々と参入してきたことで、認知症保険を巡って熾烈な商品開発競争が繰り広げられている。
では、保険のプロ24人が選別した、認知症保険ランキング【2019年度下期版】を見てみよう。次ページをご覧いただきたい。