ワークマンのサイトリニューアルは、ZARAや中国ユニクロの成功モデルを踏襲する布石というわけだ。
ただ、ワークマンの場合、店舗からの発送をしない点が、ZARAとの違いだ。フランチャイズ店舗の発送作業の負担を避ける目的もあるが、店舗受け取りを促すことで、店舗への送客を増やす狙いもある。
「そもそもECで注文される商品の約7割が、店舗に在庫がある人気商品。本部から発送すれば到着までに2日はかかるが、店舗受け取りならばすぐに商品を渡せる」と同社の担当者は強調。顧客にとって店舗受け取りは、送料がかからず、早く手に入るというメリットをアピールする。
新サイトでの初年度の売上目標は30億円で、8割以上を店舗受け取りにすることを目指す。
4~12月の既存店売上高が前年比26.9%増と、新興市場の台風の目となっているワークマン。チェーン全店売上高1000億円という今期の目標(19年3月期の売上高は930億円)も、第3四半期の時点で達成したとみられている。
しかし、急速な出店に対応するため前年と比べ3倍の生産が行われているといい、今までは「流行り廃りのない作業服」であったがゆえに存在しなかった在庫が積み上がりつつある。
ECを強化すれば、詳細な顧客データも本部がつかむことも可能になる。ワークマンは真の“ユニクロキラー”になれるのか。この1年が勝負どころになりそうだ。