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日本企業の経営者の中でも公の場で英語のプレゼンテーションをこなす数少ない一人がソフトバンクグループの孫正義会長兼社長だ。平易な英語を使いながら、説得力あるプレゼンを行うにはどうすればいいのか。特集『商社の英語術』(全19回)の#14では、一般のビジネスマンにも学びが多い孫社長のプレゼンを分析した。
ソフトバンク孫正義氏に学ぶ
世界を制する英語プレゼン
2013年4月15日、米通信3位スプリントの買収手続きを進めていたソフトバンクに緊張が走った。突如として、米衛星大手ディッシュ・ネットワークが買収に名乗りを上げ、ソフトバンクの買収額を5000億円近く上回る提案をしてきたからだ。

ソフトバンクは、月末の決算発表に合わせ、プレゼンテーションの準備に入った。あるアドバイザーからは、ディッシュのチャーリー・アーゲン会長へ“個人攻撃”までするような提案があったが、孫正義社長は「それはやめよう」と一蹴した。
かくして発表の当日、英語と日本語のスライドを映した画面の前で、孫社長は英語で語り始めた。