相続未登記問題が
空き家化に拍車をかける

 加えて、「相続未登記」の問題も大きい。「相続時には、土地などの名義を相続人に変更する必要があるが、相続登記は義務ではない。親やその上の世代が相続登記を放置した結果、相続人が相当な数になってしまえば、いざ土地を処分しようとしても、手間暇をかけて相続人を探し出し合意を取るところから始めないといけない」と『「負動産」時代の危ない実家相続』の著者である相続・不動産コンサルタントの藤戸康雄氏は指摘する。

 所有者不明の土地の増加は結果として、処分できない空き家をつくる温床となる。相続登記は義務化する方向で議論が進んでいるが、こうなれば子供世代に新たな負担が生じることは間違いない。

 さらに、住宅の過剰供給という問題もある。日本は将来的に人口が減少し、住宅需要が先細るのは必至。にもかかわらず、いまだ年間約90万戸の住宅が新設されている(図参照)。住宅の供給が続けば、人口が減る地域を中心に「負動産」化の危険度は増し、処分しようにもできない実家が増えていくだろう。

 管理されていない危険な空き家は自治体によって「特定空き家」として認定されることがあるが、こうなると税金も増す上、最悪の場合には強制撤去されて費用を求められる事態にもなりかねない。

 実家を荒廃した空き家にしてからでは遅い。こうなる前に、家の出口戦略を考えておくことが重要になるのだ。

Illustration by Yuuki Nara

Key Visual:SHIKI DESIGN OFFICE, Graphic:Daddy’s Home