テレワークの2大課題も明らかに
「利用が難しい」「長時間労働の助長」
このようにテレワークを積極的に活用し、社員に評価されている企業がある一方で、課題を抱える企業も少なくないようです。さまざまな声がある中で、明らかになったのが(1)利用が難しい、(2)長時間労働の助長、という2つの課題です。
(1)「利用が難しい」と語る社員クチコミ
テレワークを利用しにくい理由として、利用申請の煩雑さや、上司の理解、部署による温度差が挙げられており、制度があるにもかかわらず活用に至っていない実態が見えてきました。
「会社の制度としては、完全フレックスタイム制、リモートワークなど、ワーク・ライフ・バランスのための施策が整っている。しかし、実際に利用出来るかは、部署や上司の性格によって異なる。残業して遅くまで働くことを是とする考え方もまだ根強く残っており、長時間労働が常態化している部署もある」(コンピュータ、通信機器、OA機器関連)
「最近、在宅勤務制度の改定がされ利用対象者が拡大されたものの、様々な制約(制度利用には紙面での事前申請が必要、就業時間は定時時間勤務のみ、場所は自宅のみ等)があり実用的ではない。また、周囲の理解もなく使いづらい」(総合電機、家電、AV機器)
「テレワークやフレックスタイムなどの取り組みは始まっているが、セキュリティの問題や申請手続きに難があり、利用しづらく様子見状態」(官公庁)
(2)「長時間労働の助長」と語る社員クチコミ
テレワークによって「いつでもどこでも」働けるようになりますが、それによって業務調整がままならず、自宅で長時間労働を行ってしまうケースも少なくないようです。
「リモートワークを取り入れ始め、週1日程度は自宅等でも作業ができるようノートPCが配布された。その結果、場所や時間を問わず深夜や休日でも仕事をせざるを得ない状況になってしまっている部署もあり、働き方改革が悪い方に作用している面もある」(SIer、ソフト開発、システム運用)
「テレワーク制度を積極的に進めている事もあり、勤務の個人裁量の範囲が大きい。 その分、業務量の調整を個人で管理できないと仕事に追われ続ける事になってしまう。 過重労働が問題視される社会傾向もあって会社としての取り組みも進んでいるが、絶対的な仕事量とエンジニアとのバランスが悪く、長時間残業者の数は減っていない」(SIer、ソフト開発、システム運用)
「在宅勤務が充実しているので会社にしがみつかなくても良く、早く帰ることに抵抗はない。ただ裏返すといつでも仕事ができるがゆえに、際限なく仕事に追われることもあり繁忙期は疲弊する」(通信、ISP、データセンター)
企業がテレワークをうまく運用していくためには、不平等にならない形での利用促進、長時間労働を避けるような労務管理が重要なポイントとなりそうです。
(本記事はOpenWork[オープンワーク]からの提供データを基に制作しています)