倒産危険度ランキング#17
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上場企業全体を対象とした倒産危険度ランキングに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で、甚大な打撃が避けられない13業種について、それぞれ業種別のランキングを作成した。特集『大失業時代の倒産危険度ランキング』(全29回)の#17では電力・ガス業界を取り上げる。15社が危険水域に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

景気崩落で落ち込む電力・ガス需要
支払い猶予した料金焦げ付きの公算も

 電力会社やガス会社は景気変動に強いとされてきた。通常の景気変動であれば、生活や企業活動に不可欠な電気・ガスの消費は大きく落ち込まないからだ。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大で景気は総崩れ。工場の操業時間短縮や一時停止、飲食店、ホテル、観光施設の休業……。電気やガスの需要も一気に減少した。

 加えて、電力・ガス会社は営業自粛などで料金の支払いが困難になった事業者に対する支払い猶予に応じている。あくまでも猶予ではあるが、コロナ禍でその事業者が倒産してしまえば、料金の全額回収が難しくなる可能性がある。

 一方で2020年3月期は、原油価格低下で採算は改善した。電力大手10社のうち東京電力ホールディングス(HD)と九州電力を除く8社の純利益は前期比で増加。さらに、上場している決算期が3月期のガス7社のうち6社が営業増益となった。

 とはいえ、21年3月期の展望は明るくない。原油やLNG(液化天然ガス)の価格低下のメリットは長続きしない。燃料の価格低下に合わせて電気・ガス料金も引き下げられるからだ。6月、7月とすでに引き下げられ、8月も引き下げられることが決まっている。そして、景気の深刻な落ち込みによる需要減が収益の足を引っ張ることになるはずだ。

 電力・ガス業界倒産危険度ランキングの顔触れを見てみると、電力10社が全て危険水域にあるのに対し、ガス会社は上場9社のうち3社しかランクインしていない。その上、総じて倒産危険度を表すZスコアは電力会社の方が悪くなっている(順位が上になっている)。

 これは、発電所のような大型の資産を保有する電力会社に比べると、ガス会社はLNG受け入れ基地を保有するものの、電力会社ほど総資産は大きくないためである。

 では、ランクインした会社を見ていこう。