「目の前の“あたりまえ”に対して、『それって絶対じゃなくない?』って言えるかどうか。すべてはそこから生まれる」――オリエンタルラジオの中田敦彦さんが、いま話題沸騰の「YouTube大学」で大絶賛した一冊の本をご存じだろうか? 無名の美術教師による初著書だったにもかかわらず、発売以降、各界のオピニオンリーダーらやメディアから絶賛された『13歳からのアート思考』だ。

同書では、中高生向けの「美術」の授業をベースに、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出すという「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。タイトルには「13歳の……」と冠せられているものの、感動の声をあげているのは、主に大人たちのようだ。

何が読者の心をつかんでいるのだろうか? 瞬く間に9万部を突破するベストセラーとなった『13歳からのアート思考』において、最も多くの反響を呼んでいるのが、冒頭にも掲げられた「《睡蓮》のかえる」のエピソードだという。

私たちがモネの《睡蓮》に発見できないもの

 「かえるがいる」――岡山県にある大原美術館で、4歳の男の子がモネの《睡蓮》を指差して、こんな言葉を発したことがあったそうです。

 みなさんも美術館に来たつもりになって、次の絵を「鑑賞」してみてください(*1)。

 さて、このなかに「かえる」を発見できるでしょうか?

クロード・モネ (1840~1926年)《睡蓮》
1904年ごろ/キャンバスに油彩/デンバー美術館
印象派の中心人物として知られるモネが、彼が愛した水生植物の睡蓮を題材に、季節や時間とともに変化する光の効果をとらえた一連の絵画作品の1つ。岸や空を描かず、大胆に水面だけを描いた構図からは、日本美術の影響も感じられる。
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