―― アテンダント勤務の後すぐにアテンダントを育成する講師となられ、その後マナースクールを設立されたそうですが、指導者の側に回ろうと思われたのはなぜでしょうか?

諏内 自分自身が接遇やマナーを学んだときの喜びが大きかったのがひとつです。もうひとつは、美しいふるまいの知識というものも、人生をよりよく生きるうえで絶対に無駄にはならない『一生の武器』と感じたからです。

たとえば、敬語遣いや、ナイフやフォークの使い方が正しくても、椅子に腰掛けるときに「よいしょっ」と腰を曲げて座ってはエレガントではありません。

そういったマナー以前の所作やふるまいの知識があると、いつでもどこでも洗練された所作で堂々とふるまえ、信頼性も高まります。そのことを一人でも多くの方にお伝えし、豊かな人生を送っていただきたく、スクールを立ち上げたんです。ですから私は、「マナー講師」というより「ふるまい講師」という方が合っているように思います。

今回書いた本も、普段、私が生徒さんたちにお伝えしている『マナー以前』の沢山の事柄を、わかりやすくまとめたものです。

―― その点は、他のマナー本と大きく違いますね。

諏内 マナーに関する実用書は本当にたくさんありますが、マナー以前のふるまいや心遣い、『育ち』に特化した本はないかもしれませんね。実際に学べる機会もなかなかありません。

そういうことは、一部の家柄のいい人だけが、幼少期に家庭で教えてもらえるものだと思い込んでいる方がほとんど。「私はごく普通の家の育ちなので」「自分とは無縁」とあきらめている方がとても多いんです。でも、「知る」ことさえできれば、どなたでも『育ちのよさ』は身につけていただけるんですよ!

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第1回 『「育ちがいい人」だけが知っていること』の著者ってどんな人?
第2回 「育ち」とは何なのか?真の意味で、育ちがいい人の共通点
第3回 「この人、育ちがいいな」と思わせる3つのポイント
第4回 あぁ、やっぱり。お受験合格率95%!育ちがいい子の「親の教え」共通点

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